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2018年度「現代の名工」に選ばれたケーキ職人 福原敏晃(ふくはら・としあき)さん

2018.11.11
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「現代の名工」に選ばれたケーキ職人の福原敏晃さん=神戸市須磨区堀池町2、神戸洋藝菓子ボックサン

「現代の名工」に選ばれたケーキ職人の福原敏晃さん=神戸市須磨区堀池町2、神戸洋藝菓子ボックサン

 製菓歴40年余り。「神戸マイスター」や「ひょうごの匠」に選ばれ、兵庫県洋菓子協会長を務める重鎮だが「1人でも多くの人にケーキを食べて喜んでほしいんです」。飾らない笑みから、誠実な人柄がにじみ出る。

 神戸市須磨区のケーキ店「ボックサン」のオーナー兼パティシエで、フランスやドイツの要素を採り入れながら、独自の日本風に仕立てる「神戸洋藝菓子」を確立、スイーツのまちを代表するブランドに育てた。

 創業した父と、傍らで手伝う母が朝から晩まで働きづめで「これは大変だ」と思った。絵画教師に憧れたこともあった。が、大学時代に継ごうと決意する。父や先輩の仕事を見て練習を重ね、実力を蓄えた。

 「甘みはうまみ。甘いものを食べるから元気になれる」が、父の教え。味付け控えめが世の主流になっても、生クリームやバターのコクを重んじる。県産の小麦粉や丹波のクリ、有馬の塩など、地元の安全な食材を厳選して魅力を引き出す。

 同業が増え、コンビニスイーツも台頭するなど、業界の競争は激しい。それでも「同じレシピでも基本の計量、配合、手順を誤れば同じ味にはならない。変わらずに100年愛される店に」と前を向く。

 福祉作業所への製菓指導ボランティアなどにも熱心だ。ものづくりの世界で最高の栄誉に「『もっと頑張れ』と言ってもらえたかな。到達点はない。一生勉強やね」。妻と3男1女、猫5匹。長男と次男が店に入り、父の背中を追う。65歳。(佐伯竜一)