ひょうご経済プラスTOP 経済 若者による若者のための新日本酒 白鶴の「別鶴」、過去に未使用の酵母で開発

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若者による若者のための新日本酒 白鶴の「別鶴」、過去に未使用の酵母で開発

2018.12.05
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完成した新商品を手にする開発メンバー。フルーティーな味わいに仕上げた=神戸市東灘区住吉南町4、白鶴酒造

完成した新商品を手にする開発メンバー。フルーティーな味わいに仕上げた=神戸市東灘区住吉南町4、白鶴酒造

 清酒最大手、白鶴酒造(神戸市東灘区)の若手社員らが、同性代向けに新しい味わいを楽しめる日本酒3種類を開発した。日本酒離れの進む若者に魅力を伝えようと、2年にわたる試行錯誤を経て完成。購入型クラウドファンディングを活用した先行予約販売で市場調査をし、来年6月には同社の資料館などで限定販売する。

 開発したのは28~36歳の有志8人。友人たちが日本酒に興味がないことに危機感を持ち、「上司任せではなく、自分たちで白鶴のイメージを覆すお酒をつくりたい」と会社に提案。研究、醸造、営業など複数の部署の社員が結束して、2016年冬に「別鶴プロジェクト」を立ち上げた。

 まず、知人ら20人以上に聞き取りしたところ、「漢字だけの商品名やラベルが堅苦しい」「アルコール度数が高く飲みにくい」などの課題が浮上した。

 そこで同社が保有する酵母400種類のうち、特長の不明な200種類を一つ一つ仕込んで味わいを確かめた。若者に受け入れられる味と確信して選び抜いた3種類はいずれも、過去使われたことのない酵母という。併せて商品のコンセプトも徹底的に検討。終業後などに開いた会議は延べ60回に上った。

 完成した商品は、レモングラスのような香りと酸味が特長の「木漏れ日のムシメガネ」▽ライムのような香りとほろ苦さが残る「陽だまりのシュノーケル」▽イチジクのような甘みの「黄昏のテレスコープ」-。

 開発のテーマ「新しい日本酒の世界を覗こう」にちなんだ道具を商品名に採用した。描いた道具の図柄をのぞくと内側の絵が見えるようラベルも工夫。すべて純米酒で、アルコール度数は通常商品より低い11~12度に抑えた。720ミリリットルの瓶入りで、各3千本を製造する。

 販売は、同社との接点が少ない消費者の反応を探るため、商品を予約販売する購入型クラウドファンディングを活用することに。目標金額は100万円だが、達成の有無に関わらず商品を発送し、調達資金を次の商品の開発費などに充てる。プロジェクトメンバーの佐田尚隆さん(33)は「先輩社員からの厳しい言葉もあったが、今までできないと思っていたことを形にできて良かった。ぜひ若い世代に飲んでもらいたい」と話している。

 クラウドファンディング「マクアケ」のサイトに、2500円から6万7500円までの8コースを用意。出資額に応じて受け取れる商品の数や種類、同社工場の見学などの特典が異なる。申し込みは3月6日午後6時まで。(中務庸子)