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改正入管法成立 県内企業、外国人雇用に慎重

2018.12.09
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 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正入管難民法などが8日、成立した。「特定技能」と呼ばれる在留資格が新設され、現行の高度専門人材のみならず、単純労働にも門戸を開く転換点となる。兵庫県内の企業は、幅広い職種で人材を確保できる法改正を歓迎する一方、人手不足をカバーする上で外国人材に依存していないところも。国の具体的な制度設計はこれからで、企業側の対応も現時点では様子見だ。

 新明和工業(宝塚市)は現在、生産管理や設計などで外国人約30人を雇用する。いずれも「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を持つ。担当者は「人手不足感がある中で人材確保策の一つ」と法改正を前向きに捉えつつ、「多数の外国人を受け入れた経験がなく、さまざまな課題に対応しきれるか不安」と慎重だ。

 現在、外国人労働者のいない山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)は当面、受け入れる予定がないといい、「所要の態勢を整える上で制度、施設面でのハードルが高い」と明言。西松屋チェーン(同市)は「外国人材に頼るほどでない」、指月電機製作所(西宮市)も「人手不足を外国人で解消する取り組みはしていない」という。

 一方、営業・調達部門で外国人4人を雇用する帝国電機製作所(たつの市)は「新規・中途採用ともに苦慮している」と、人材確保の選択肢が増える法改正を評価する。ただ、日本人従業員とコミュニケーションがうまくいかない場合は、「品質に影響しかねない。社外でも近隣住民とうまく共生できるか心配だ」と明かす。

 県内企業の人手不足感は深刻だ。日銀神戸支店がまとめた9月の県内の企業短期経済観測調査(短観)によると、雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」とした企業の割合を引いた値は、全産業でマイナス28。バブル期並みの大幅な「不足超」となった。神戸商工会議所が加盟100社に同月実施したアンケート(有効回答79社)で人手不足による経営への影響を聞いたところ、「大きな影響がある」が13・9%。「影響がある」「影響が懸念される」を含め、約8割超で影響が顕在化しているという。

 発電プラント建設の中野プランツ(高砂市)は昨秋から、ミャンマー人の採用を始めた。現在、20代の男女4人が設計と施工管理を担う。建設現場の社員も高齢化などで不足感が強く、法改正を歓迎する。

 中野哲郎社長(59)は「日本語を学ぶ外国人労働者は(授業料を捻出するための)借金を返済しながら母国に仕送りする人もいる」と指摘。「納税に耐えられる賃金水準にしないと定着率が低くなる。きちんと処遇する経営者の覚悟が必要だ」と話した。(三島大一郎、横田良平、大島光貴、綱嶋葉名)