ひょうご経済プラスTOP 経済 初の純県産“神戸サーモン”誕生へ 市漁協が養殖

経済

初の純県産“神戸サーモン”誕生へ 市漁協が養殖

2018.12.10
  • 印刷
須磨海水浴場沖のいけすにニジマスを放す神戸市漁協の組合員=6日午前(撮影・辰巳直之)

須磨海水浴場沖のいけすにニジマスを放す神戸市漁協の組合員=6日午前(撮影・辰巳直之)

養殖用に育てられたニジマスの稚魚=神戸市須磨区須磨浦通6(撮影・辰巳直之)

養殖用に育てられたニジマスの稚魚=神戸市須磨区須磨浦通6(撮影・辰巳直之)

 神戸市漁業協同組合が、「ご当地サーモン」の養殖に乗り出した。地名を冠し海で育てたサーモンのご当地ものは兵庫県内で3番目だが、卵から成魚までを県内で一貫養殖するのは初めて。順調に育てば、来年5月にも純県産の“神戸サーモン”が出荷される。

 明石鯛、関さば、間人がになど特定の海域でとれる魚介類のご当地ブランドは多いが、近年は需要が堅調なサーモンのご当地ものも登場。全国で50種類以上が養殖されているという。多くの産地でサケ科のニジマス、サクラマスの稚魚を淡水で20~30センチに育てた後、脂の乗りやすい冬の海水域で約1メートル、体重2キロ近くにして春ごろに出荷する。

 同市漁協は、宍粟市の養殖場で採卵・育成したニジマスの稚魚を使用。今月初めから神戸市須磨、垂水両区の沿岸3カ所に設けたいけすに移して養殖を始めた。県内では、白鷺サーモン(姫路市、坊勢漁協)と、淡路島サクラマス(南あわじ市、福良漁協)の2ブランドがあるが、ともに県外産の稚魚を利用しており、純県産は今回が初めてとなる。

 神戸市漁協は瀬戸内のイカナゴやチリメンなどの漁獲量が年々減る中、新たな収益源の開拓を模索していた。昨年夏、一般社団法人「遊ファーム」(宍粟市)が海洋養殖用のニジマスの採卵・育成を始めるのを知り、冬場に出漁しない船引き網漁の漁師らを中心に準備してきた。

 同市漁協は今年11月末から順次、活魚トラックで宍粟市から稚魚を搬入。陸上のいけすで海水に慣らすとともに、海水域でも須磨海水浴場の150メートル沖と須磨港、マリンピア神戸近くにいけす(各9メートル四方、深さ5メートル)を設け、今月4日から稚魚の投入を始めた。

 今月中旬までに約3千匹を放ち、毎日数回の餌やりを続ける。来年5月までに60~70センチ、1・5キロ前後に育てる計画だ。同市漁協の森本明副組合長(55)は「特産のノリだけでなく、神戸の漁業をもっと活気づけたい。餌にノリを配合する研究も進め、特色のあるサーモンに育てたい」と意気込む。(山路 進)