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全国の寝具店が協同組合 レンタルや快眠サポートなど新ビジネス

2018.12.12
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「まちの、いえ」協同組合に加盟する「寝具のうちはし」の店舗。人工芝を敷いたデザイン性の高い売り場も設けた=西脇市野村町

「まちの、いえ」協同組合に加盟する「寝具のうちはし」の店舗。人工芝を敷いたデザイン性の高い売り場も設けた=西脇市野村町

 インターネット通販や「ニトリ」のような大手に押され、苦境にあえぐまちの布団店が手を結び、寝具レンタルや快眠サポートなどの新ビジネスに乗り出す。兵庫の2業者を含む全国の17社が協同組合を結成。統一のブランドを立ち上げ、きめ細かなサービス力で巻き返しを図る。(中務庸子)

 組合の結成に一役買ったのは、神戸市中央区の寝具卸売会社ケントハウスで顧問を務める藤井茂太さん(65)=西宮市。大手寝具メーカーに約40年間勤めていた縁で全国の個人商店の悩みを聞き、苦しい経営環境が見えてきたという。

 まちの布団店は、定期的に打ち直しの必要がある綿布団が主流の時代は、顧客とのつながりが深かった。だが、手入れが容易な合成繊維布団が登場し、婚礼布団などの慣習も廃れ、生活様式も西洋化。製造から小売りまでを手掛けるSPA業態の総合インテリアメーカーの台頭が、不振に追い打ちをかけた。

 経済産業省の商業統計によると、1982年に約2万2千あった寝具小売事業所数は2014年に5千まで減少。業界紙の近年の調べでは、市場全体の約7割がネット通販など非店舗での売り上げという。

 「このままでは布団店は立ち行かない」と藤井さん。強みは大手やネット通販にはできないサービス力と判断し、力を合わせて再生する道を考えた。岩手、愛知、福岡など13都府県の寝具関係の業者が賛同し、「まちの、いえ」協同組合をこのほど結成。兵庫県内は、ケントハウスと「寝具のうちはし」(西脇市)が参画した。

 寝具レンタルは、主に地元の旅館や民宿向け。10年契約なら、羽毛掛け布団を1カ月195円から貸し出し、5年目に羽毛の手入れのサービスを付ける。契約を更新すれば次の10年は賃料を割り引く。

 宿泊業界では、寝具は一括購入が一般的だが、小さな民宿や旅館では初期投資が大きく、買い替えのハードルが高いことに目を付けた。布団店も安定的に収入を得られるメリットがあり、加盟各店でレンタル事業を売り上げの45%まで伸ばす計画だ。

 近年高まる睡眠への関心に応える事業も始める。住所や寝室の構造など11項目を入力するだけで、最適な羽毛掛け布団が割り出せるシステムを全店舗に導入。専用洗濯機を使った布団の丸洗いや保管サービスなども行う予定。全店に共通デザインの売り場を設け、統一感を出す。

 製品や原料は組合を通してまとめて発注し、自社の配送網で顧客に届けることでコストダウンを図り、価格競争力を高める。藤井さんは「地元の店がもうかれば、雇用が生まれ地域が活気づく。会員数を伸ばして地域経済の発展につなげたい」と話している。