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関空に1千億円投資へ 万博にらみ改装や防災強化

2019.02.07
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インタビューで投資計画などについて語る関西エアポートの山谷佳之社長=関西空港

インタビューで投資計画などについて語る関西エアポートの山谷佳之社長=関西空港

 関西エアポートの山谷佳之社長は神戸新聞社のインタビューに応じ、2025年までに関西空港で1千億円規模の投資に踏み切る方針を明らかにした。訪日外国人客(インバウンド)の受け入れ強化で第1ターミナルを改装するほか、昨秋の台風被害を踏まえて防災対策を強化する。大阪(伊丹)、神戸を含めた3空港での増便に向け、地元自治体とともに、国に飛行経路の見直しを求めていく考えも示した。(長尾亮太)

 山谷社長は関空について「西日本の中核的な国際空港としての機能をさらに強化したい」と、投資の狙いを強調。第1ターミナルの改装などに約700億円を投じる。詳細は未定だが、保安検査場の配置見直しやCIQ(税関・出入国管理・検疫)の増強のほか、商業ゾーンも充実させる公算だ。インバウンドの増加が見込まれる25年の大阪・関西万博までに完了させる方針で、1千万人分の受け入れ余力が生まれるという。

 防災対策には約300億円を充てる。大規模浸水で一時閉鎖に追い込まれた昨年9月の台風21号を踏まえ、護岸のかさ上げや電源施設の地上移転などを進めるという。

 山谷社長は、近接する関西3空港の飛行経路に制約がある現状を踏まえ、さらに航空需要を取り込むためには、地元自治体と一体となって「国に空域の見直しを要請したい」と述べた。

 神戸空港については、現在でも国際便が認められるビジネスジェットの誘致強化に意欲を示した。「CIQの運用拡大に向け、関西3空港懇談会で議論を前進させたい」と語った。

■インタビューの主なやりとり

 -2018年の関西空港の旅客数は2894万人となり、11年から倍増した。

 「航空需要の増大に応じて成田空港などで滑走路が新設される一方、既に多くの滑走路を擁することは関西地域の強みだ。ただ、今後も需要を着実に取り込むには、滑走路や空港ターミナル(などのインフラ)よりも空域がボトルネック(制約)になりそうだ。関空と神戸空港の空域は重なり、明石海峡などの上空はかなり混雑している」

 「空域を管理する国は『地域で空港のあり方に関する考えをまとめれば、適切に対処する』としており、関西地域は足並みをそろえて国に意見を伝えないと。国も、優先的に取り組んでいる首都圏空港の機能強化が一段落すれば、今度は関西の強化に乗り出してくれるだろう」

 -関空への大規模投資の狙いは。

 「訪日外国人客が急増し、出入国に1~2時間かかる時期もあったが、手荷物検査場の増設などで所要時間を20~30分に縮めた。訪日客のさらなる増加に備え、今回の改装で受け入れ能力を抜本的に引き上げたい。『西日本の中核空港』としての機能を高めるため、災害に強くなければ、との思いを防災対策に込めた」

 -訪日客への期待は。

 「関西が訪日客を引きつけるのは『よそにない風景』が多くあるから。外国人が風光明媚な関西で新たにビジネスを始めてくれれば地域の活性化になる。神戸市が規制を緩和し、六甲山でオフィスを開設できるようにする構想があると聞くが、同じ考えなのではないか」