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伸び悩む兵庫県オリジナルイチゴ ソムリエ招き食事会

2019.02.26
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育てたイチゴを野菜ソムリエらに試食してもらう篠田いちご園の篠田重一さん(左端)=西脇市落方町

育てたイチゴを野菜ソムリエらに試食してもらう篠田いちご園の篠田重一さん(左端)=西脇市落方町

 他品種より甘く、味も濃厚なのに、生産が伸び悩む兵庫オリジナルのイチゴ「あまクイーン」と「紅クイーン」。兵庫県は消費者にアピールして、生産者の意欲を高める作戦に乗り出した。早速、県内の野菜ソムリエらを農園に招き、イチゴ尽くしの料理をそろえた昼食会を開催。参加者からは「こんなにおいしいイチゴは初めて」「どんどん作ってほしい」などの声が上がった。(山路 進)

 兵庫の独自品種を作ろうと、県農業技術センター(加西市)が2014年に開発。5年がかりで完成させた。あまクイーンは糖度が15・8度と他品種をしのぎ、酸味が少なく、果汁が多い。紅クイーンも糖度が12・9度と高めで、酸味とのバランスがよく、大粒で、皮、果肉がしっかりし、輸送に強い。

 いずれも15年夏に県内の農園29戸の計37アールで生産を始め、同年末から出荷。イチゴ狩りや直売所での販売のほか、西脇市のふるさと納税返礼品になっている。

 口コミで人気となり、19年産は40戸余りの計67アールで栽培。当初は、数倍に伸びると見込んでいたが、2倍増にとどまる。県内での品種別の栽培比率も、他県で開発された「章姫」や「紅ほっぺ」「さちのか」で計6割を占め、県開発の2品種は計1%未満だ。

 「栽培が難しいと思われている」。2品種を手掛ける篠田いちご園(西脇市)代表の篠田重一さん(71)は指摘する。以前から育てる章姫とは肥料の量や温度管理の仕方が違うためだが、「同センターの『栽培ごよみ』を使えば対応できる」と話す。質は良く、他品種より値段を1割高く設定しても、全国から注文が入るという。

 今月中旬に開かれた昼食会では、2品種を使った菜の花の白あえ、鶏肉のソテー、リゾットなどを提供。調理した料理人西崎憲一さん(46)=神戸市兵庫区=は「甘いあまクイーンは生ハムやデザート、味の詰まった紅クイーンはマリネやソース。それぞれ特長があり、料理に使いやすい」と評価する。

 参加した野菜ソムリエコミュニティ兵庫代表の石井郁子さん(62)=宝塚市=は「付き合いのある神戸や大阪の百貨店やケーキ店に売り込みたい。もっと作ってほしい」と話していた。