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漁期わずか3日の大阪湾イカナゴ漁 記録的不漁の要因は

2019.03.08
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漁の解禁日に水揚げされたシンコ。不漁続きで大阪湾では休漁が決まった=5日、神戸市垂水区、垂水漁港

漁の解禁日に水揚げされたシンコ。不漁続きで大阪湾では休漁が決まった=5日、神戸市垂水区、垂水漁港

 大阪湾と播磨灘で5日に解禁されたイカナゴのシンコ(稚魚)漁のうち、大阪湾で操業する兵庫、大阪両府県の漁業者らは8日、漁を打ち切ることを決めた。解禁以降の水揚げが不振を極め、資源量確保のため早期の休漁が不可欠と判断した。大阪湾では同日は強風で出漁しておらず、今季の漁期は5~7日の3日間と過去最短となった。淡路島以西の播磨灘では一定の漁獲があり、漁を続行する。

 大阪湾でシンコ漁を行う漁業者らは8日、神戸市、淡路島、大阪府の3地区別に協議。幹部間で連絡を取り、終漁を決めた。県内では神戸市漁協のほか、兵庫、淡路島岩屋、森、仮屋、津名、洲本炬口の5漁協の約300隻が大阪湾で操業する。

 播磨灘を含む県内は2016年までほぼ毎年1万トン以上が漁獲され、全国有数の漁場として知られる。ところが、2年前から極端な不漁に陥り、例年は1カ月余り操業する漁期を半月程度に短縮。漁獲量は千トン台に落ち込んだ。

 関係者によると、生活排水の規制強化で瀬戸内海の水質は改善され、魚介の栄養につながる窒素、リンの濃度が低下したことが要因の一つという。ほかに、今年は西から東に吹き抜ける風が弱く、産卵場のある播磨灘から大阪湾にシンコが流れ込みにくかったとの見方もある。

 イカナゴは他の海域でも減少している。福岡湾(福岡県)や陸奥湾(青森県)、伊勢・三河湾(愛知、三重県)で禁漁が行われているが、いずれも資源は回復せず、再開には至っていない。兵庫県水産技術センター(明石市)の担当者は「稚魚は1年で親魚になる。早期の打ち切りで、来年の卵を増やせる可能性は高まる」と話す。

 県は一部の下水処理場から海に流す水について、栄養分の濃度を高める取り組みを進める。県は「漁業者と行政が一体的に対策を取り、イカナゴ漁を守っていきたい」(水産課)としている。(山路 進)