ひょうご経済プラスTOP 経済 神鋼データ改ざん判決 業績の安定、市場が注視

経済

神鋼データ改ざん判決 業績の安定、市場が注視

2019.03.14
  • 印刷
神戸新聞NEXT

神戸新聞NEXT

 神戸製鋼所(神戸市中央区)の製品データ改ざん事件で13日、罰金1億円の判決が下された。出直しを図る神鋼にとって、市場などの信頼回復には業績の安定が鍵を握る。直近の株価は改ざん発覚前と比べ約38%下がり、2019年3月期連結決算は減益の見通し。米司法省の動きなど、海外訴訟の行方も予断を許さない状況が続く。

 神鋼の19年3月期は、売上高は前年同期比5・8%増の1兆9900億円を見込む。自動車向け需要などが好調で、全事業部門で前年に比べ増収を予想する。

 一方、経常利益は同64・9%減の250億円、純利益も同44・6%減の350億円を予想。原料費や物流費が利益を圧迫する。顧客への補償など改ざんの影響額は100億円を見込む。

 売上高の4割弱を占める鉄鋼部門では、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)に鋼鉄の塊を作るまでの「上工程」を集約し、収益力強化を進めている。だが石灰石などの価格高騰が響き、経常利益は30億円にとどまる見通し。アルミ・銅部門は中国景気の減速で半導体装置関連が伸び悩む上、原油高が足を引っ張り、経常損益が40億円の赤字に転落する見込みだ。

 将来の収益の柱と見込む電力部門では、神戸製鉄所内に増設中の石炭火力発電所が21年度以降の稼働を予定。今期は資金調達の費用計上で経常損益は20億円の赤字見通しとなる。一方、中国で好調な建設機械部門は増益を見込む。

 神鋼は20年度までの経営計画で素材、機械、電力を柱とした安定収益の確立を掲げる。自動車軽量化を見越して加古川製鉄所や米国の拠点で鉄鋼やアルミの設備増強を決め、人工知能の活用を推進する部署を設けた。これらの成長戦略が短期間で成果を上げられるかが評価につながる。

 株価は13日の終値で、前日比2円安の841円。改ざん発覚前の終値1368円(17年10月6日)と比べ約38%減となった。

 米中貿易摩擦への懸念などで株価の動きは全体的に低調だが、光証券の山下謙テクニカルアナリストは、他の鉄鋼大手に比べて神鋼株の配当利回りが低いと指摘。「海外の訴訟リスクを敬遠する向きはあるだろうが、企業に魅力があれば買いの動きは出る。企業価値を高める努力が必要」としている。(横田良平)