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川重、AIロボで省人化 神戸に実証実験ライン

2019.03.20
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実証実験に乗り出す新ロボットシステム「サクセサー」。自動車や物流など、幅広い分野での用途が期待されている(川崎重工業提供)

実証実験に乗り出す新ロボットシステム「サクセサー」。自動車や物流など、幅広い分野での用途が期待されている(川崎重工業提供)

 川崎重工業は、生産現場の人手不足解消や省力化に向け、人工知能(AI)を搭載した新ロボットシステムの活用に乗り出した。今春、西神戸工場(神戸市西区)に遠隔操作ロボットのラインを新設し、ロボット部品の塗装で実証実験を開始。他企業と共同開発し、自動車や物流などの分野でさらなる用途拡大を図る。2019年度中の一般販売を予定している。(横田良平)

 活用するのは、川重の遠隔操作ロボット「Successor(サクセサー)」。熟練技能者が「コミュニケーター」と呼ばれる遠隔操縦装置を介して作業した動きをロボットがAIで学習し、自動運転に切り替えて手順を忠実に再現する。技能者はこの装置を通して、離れた場所からでも動作時の振動や衝撃などを得られ、じかに作業する感覚で操作できる。

 西神戸工場ではまず、組み立て前のロボット部品の塗装を行い、稼働具合を検証する。AI会社やロボットシステム構築会社と共同開発を進め、自動車座席の組み立て工程などでの活用も想定する。物流分野でも利用を見込み、倉庫から商品を取り出し、人が荷造りしやすい場所で下ろすといった構想もある。

 従来、受注生産など非量産型の製造現場では、ロボットによる自動化は不向きとされてきた。サクセサーの場合、事前に学習していない形状の部品が来ると、瞬時に「できない」と判断して技能者に作業を任せる。技能者が行う作業をその都度学び、同じ部品が来れば自動運転で対応。こうした学習を重ねることで、鋳物やプレス部品など製品のばらつきが大きい作業にも導入できるという。

 国の将来推計人口では、15~64歳の就労人口は年平均で64万人ずつ減少するとされる。川重は顧客に対し、サクセサーの導入を促して省人化の提案を行うほか、若手への技能伝承の役割を担わせることも想定している。