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山陽特殊製鋼、姫路で500億円投資構想

2019.03.28
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 山陽特殊製鋼(姫路市)の樋口真哉社長(65)は27日までに神戸新聞社のインタビューに応じ、本社工場(同)に今後数年間で計400~500億円程度を投じ、設備を大幅に更新する構想を明らかにした。すでに主力の棒鋼工場には200億円程度を費やして設備を更新中。さらに数百億円を上乗せして、鋼管などを手掛ける工場でも設備やレイアウトの変更を検討する。抜本的な再配置も視野に「10、20年先も競争できる環境を整える」としている。(横田良平)

 山特鋼は2019年度までの経営計画で、本社工場の生産構造改革を掲げている。世界トップ級の品質を持つベアリング(軸受け)用鋼材の需要動向が、自動車の小型・軽量化などで変化しており、生産性向上のため主力工場を改造する。築40年未満だが、人工知能(AI)などを活用した自動化や物流の効率化を進める。今冬には更新する機材の入れ替えが完了する見込みという。

 一方、口径の大きな鋼管などを手掛ける工場群は築年数が60~80年。細かな設備更新や設計変更を繰り返してきたが「継ぎ足しなのでどうしても理想型になっていない」(樋口社長)。競争力を高めるため抜本改革を検討し、製造ラインの効率化のため、本社敷地内の中央にある事務棟の移設なども視野に入れる。

 山特鋼は28日にスウェーデンの特殊鋼メーカー、オバコを子会社化する。昨年6月にはインドのメーカーも傘下に入れて海外展開を進めるが、高品質の礎となる本社工場の近代化は「最も優先度が高い」と指摘。「今やっておかないと、後々立ち行かなくなるリスクがある」と話す。

 また樋口社長は今後、電気自動車(EV)の減速機に用いる歯車や、電動ブレーキの部品となるねじに使われる高強度の鋼材販売に注力する方針を示した。樋口社長は「EVのモーターは回転数が多く、歯車にかかる負荷が非常に高い。カーシェアなどが広がれば耐久性も求められ、高い強度へのニーズが高まる」と先を見通す。