ひょうご経済プラスTOP 経済 企業型保育所30園連携 定員割れや閉園のイメージ低下を払拭へ

経済

企業型保育所30園連携 定員割れや閉園のイメージ低下を払拭へ

2019.04.19
  • 印刷
キムラタンが開発したネットワークシステム。保護者への連絡などが簡単にできる=神戸市中央区元町通3

キムラタンが開発したネットワークシステム。保護者への連絡などが簡単にできる=神戸市中央区元町通3

 兵庫、大阪の「企業主導型保育所」約30園が、連携組織「安全保育推進連絡協議会(通称・ココリンネット)」を5月にも発足させる。待機児童解消の切り札とも期待された企業主導型保育所だが、乱立による定員割れや閉鎖などでイメージの低下も指摘される。連携組織はそんな印象を払拭(ふっしょく)しようと、神戸市中央区の子ども服メーカー、キムラタンの提案で実現。情報やノウハウを共有することで保育サービスの向上も目指す。(中務庸子)

 企業主導型保育所は2016年に始まり、設置企業の従業員だけでなく、連携企業の社員や地域からも子どもを受け入れる。一定の条件を満たせば手厚い補助を受けられるとあって参入が相次いだものの、地域によっては定員割れや経営に失敗して閉鎖する園が出るなど負のイメージもつきまとう。

 キムラタンは昨年4月、神戸・元町に「キムラタン保育園」を開園した。ただ認可保育所が持つようなネットワークがなく、行政の支援も受けにくいため、開設や運営にあたっては苦労の連続だった。同社の浅川岳彦社長(54)は「各園が孤立し、相談窓口などもほとんどない」現状を問題視。兵庫、大阪の約300園に手紙を書き、連携を呼び掛けた。

 連携組織では、園で使う絵本や教材の共同購入▽団体保険への加入▽勉強会の開催-を計画。課題を取りまとめ、国や自治体に改善を要望することも検討する。

 また、加盟園はキムラタンが開発した専用サイトのネットワークシステムを月額千円で利用できる。気象警報などで急に休園が決まっても、園の管理者らがスマートフォンを使ってどこからでも保護者に一斉メールを送信でき、荒天の中を園まで向かう必要がなくなる。開封状況も分かるため未読の保護者にはすぐに電話連絡もでき、業務効率化が図れる。

 サイトでは加盟園を一覧で紹介し、各園の特色や空き状況、求人の募集情報なども掲載する。将来的には、保育士や保護者の相談に小児科医や専門家が応じる情報交換機能も備える計画という。

 尼崎市の歯科医院が経営するキッズパーク桂木保育園の代表は「開園してから1年間、相談窓口もなく不安だった。加盟してサービスを良くしたい」。大阪府門真市の保育園長は「行政の窓口に行っても『自由にしてください』と突き放され、認可保育所にも見学を断られた。皆の知恵を借りたい」と話す。

 浅川社長は「企業主導型に限らず認可外、認可保育園も受け入れ、全体の質の向上につなげたい。今後、全国の園にも参加を広げていければ」としている。キムラタンTEL078・806・8234

【企業主導型保育所】子どもに対する保育士の人数など一定の条件を満たせば、認可保育所並みの助成金が支給される企業設置の保育所。2018年5月時点で兵庫県内では146施設、大阪府内では259施設が整備や運営費の助成決定を受けている。定員割れや閉園などの問題を受け、内閣府の検討委員会は今年3月、自治体への運営状況の定期報告▽決算情報や定員充足率の公表▽保育士割合の引き上げ-などを求める制度改革案をまとめた。20年度から新制度に移行する見通し。