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食材絵文字 食品の包装に広がる 訪日外国人にも分かりやすく

2019.05.29
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食材の絵文字を開発したフードピクトの菊池信孝社長=神戸市中央区雲井通5

食材の絵文字を開発したフードピクトの菊池信孝社長=神戸市中央区雲井通5

使用されていない食材がピクトグラムで表示された「オタフク有機お好みソース」

使用されていない食材がピクトグラムで表示された「オタフク有機お好みソース」

 ベンチャー企業のフードピクト(神戸市中央区)が開発した食材のピクトグラム(絵文字)が、食品の包装に広がり始めた。特定の食材の使用の有無を直感的に伝えられるため、オタフクソース(広島市)などのメーカーが着目。訪日外国人客(インバウンド)向けの土産需要を見込んで採用するなど、拡大するインバウンド市場も後押ししている。(長尾亮太)

 フードピクトは、菊池信孝社長(33)が2017年に設立。外国人が多く訪れる飲食店などに向け、メニュー掲載用の14種類の絵文字を提供する。現在、空港やホテルなどの飲食店約1400店が利用。加えて食品メーカーの採用が始まり、4社9アイテムになった。

 オタフクソースは3月に発売した新商品「有機お好みソース」の包装に牛と豚、鶏、魚、貝、酒を表す6種類の絵文字を記載し、斜線を引いてこれらの食材の不使用を表現した。

 新製品のターゲットはインバウンドで、お好み焼きを食べてソースを気に入り、土産に買う需要を見込む。有機野菜や果物を多用し、宗教上の戒律や食習慣で食材制限がある人も口にできるよう、動物性由来原料と化学調味料、アルコール原料を使っていない。

 食材のこだわりを理解してもらうため、目を付けたのがフードピクトの絵文字だった。オタフクソース担当者は「デザインが分かりやすく、国籍を問わず伝えられる」と評価する。

 宮崎県内で物販店や宿泊施設などを展開する宮交ショップアンドレストラン(宮崎市)は、3月に発売したご当地料理「辛麺」のインスタント品の包装に採用。アレルギー原因物質7品目を示した。

 商品を置く土産品店を訪れる外国人の大半は中国人や台湾人。「アレルギーのある人にとって食材情報は大切なのに、英語表記だけでは不十分と感じた」(担当者)という。包装の意匠を手掛けたアートデザインセンター(神戸市中央区)がフードピクトのサービス採用を提案した。

 冷凍食品大手ニチレイフーズ(東京)もカレーやパスタソースなど六つの業務用レトルト食品で、肉やアルコールが不使用であることを絵文字で包装に記す。

 国内では今後、東京五輪・パラリンピックや大阪・関西万博など国際イベントが控えており、菊池社長は「食材のピクトグラムをさらに普及させたい」と飛躍の機会をうかがっている。