ひょうご経済プラスTOP 経済 淡水育ち「ご当地サーモン」初出荷 7月から宍粟の社団法人

経済

淡水育ち「ご当地サーモン」初出荷 7月から宍粟の社団法人

2019.06.18
  • 印刷
体長約50センチまで育てた「ご当地サーモン」を見せる老後真里さん=宍粟市山崎町上ノ

体長約50センチまで育てた「ご当地サーモン」を見せる老後真里さん=宍粟市山崎町上ノ

 一般社団法人「遊ファーム」(兵庫県宍粟市)は7月、淡水だけで育てた「ご当地サーモン」を初出荷する。これまでの神戸、赤穂のご当地サーモンの稚魚供給に加え、自らも成魚の生産、出荷に乗り出す。「味優留サーモン」のブランドで姫路、神戸の飲食店やスーパーに出荷する。(山路 進)

 兵庫県は、養殖サーモンの採卵から成魚の育成までを県内で全て手掛ける「純県産化」を2016年から推進。今春、神戸市漁業協同組合と赤穂市の業者が初の出荷にこぎ着けた。両者に卵と稚魚を供給するのが同法人。父の代からアマゴの養殖場を営む老後真里さん(55)が同年から取り組む。

 老後さんは、サーモンの稚魚に「ドナルドソン」と呼ばれるサケ科のニジマスを採用。大型化する品種で岩手県から約1万2千匹を導入した。16年、姫路市家島町の海面養殖業者に出荷し、残った稚魚も17年末に採卵が可能なサイズにまで育てた。約15万粒の卵を採り、約12万匹の稚魚を成育していた。

 ところが昨年7月の西日本豪雨で、養殖池につながる揖保川支流・伊沢川の取水口に岩や砂利が堆積。冷たい水を引き込めず、20度前後だった水温は24度にまで上昇し、約10万匹が死んだ。衰弱した稚魚の水槽に塩を加えて回復させ、昨年末に神戸と赤穂に計約9千匹を出荷した。

 一方、残った約5千匹もサーモンとして出荷できる体長約50センチに成長したため、7月から毎月400匹を独自ブランドで出荷することにした。夏場の暑さ対策には冷風による水冷装置を準備。海面養殖向けの出荷用と独自ブランド用にそれぞれ育てる稚魚の歩留まりを高める。

 老後さんは「山の淡水で育てるとコリコリとした歯ごたえが楽しめる」と話している。味優留サーモンの全量を商社「ANH」(神戸市中央区)に出荷する。問い合わせは同社TEL078・231・2777