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創薬ベンチャー・カルナバイオサイエンス、米製薬会社とライセンス契約

2019.06.25
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 創薬ベンチャーのカルナバイオサイエンス(神戸市中央区)は25日、新たながん免疫療法として研究開発してきた低分子化合物の開発・販売独占権などを与えるライセンス契約を、米製薬会社ギリアド・サイエンシズとの間で結んだと発表した。契約一時金約21億円を受け取るため、3年続いた連結決算の最終赤字が、2019年12月期に黒字転換する見通し。

 03年設立のカルナ社は、神戸・ポートアイランドの医療産業都市に本社を置く生命科学系ベンチャーで唯一上場している。ギリアドはインフルエンザ治療薬「タミフル」などの開発で知られる。

 この低分子化合物による創薬は、がん細胞を攻撃する免疫の働きと関わる脂質キナーゼを標的とする。がん免疫療法として知られるオプジーボが免疫機能のブレーキを外すことでがんを治すのに対し、「免疫のアクセルを強める」(カルナ社)効果を図るという。

 今回の一時金は、カルナ社が結んだライセンス契約の中で最高額という。19年12月期連結決算の予想は、最終損益を16億9300万円の赤字から、2億1400万円の黒字へ引き上げた。開発の進み具合に応じて最大約472億円を受け取ることができ、発売後は売上高に応じたロイヤルティー(使用料)も入る。

 吉野公一郎社長は「画期的な新薬を生み出してきたギリアド社から着目され、契約に至ったことはうれしい」とコメントしている。(長尾亮太)