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兵庫県の改正ため池保全条例が施行 管理者の届け出義務化、違反者に過料

2019.07.02
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堤防を切り開く工事で廃止されたため池。写真奥に水がためられていた=朝来市山東町大垣(兵庫県提供)

堤防を切り開く工事で廃止されたため池。写真奥に水がためられていた=朝来市山東町大垣(兵庫県提供)

防災対策で堤防強化工事をしたため池=神戸市西区押部谷町高和(兵庫県提供)

防災対策で堤防強化工事をしたため池=神戸市西区押部谷町高和(兵庫県提供)

 豪雨や地震によるため池の決壊被害を防ぐ農業用ため池管理保全法と、それに伴う兵庫県の改正ため池保全条例が1日、施行された。所有・管理者に都道府県への届け出が義務付けられたが、利用実態をつかめないため池が県内に約500カ所あることが県などの昨年度の調査で判明。今年末までの届け出期限を前に、県などはより詳しい調査を急ぐ。(山路 進)

 新法では、農業用ため池の所有者と管理者が防災対策を担うと初めて規定。届け出を義務化して違反者に10万円以下の過料、無許可工事などには50万円以下の罰金が罰則として設けられた。

 決壊すれば住宅や公共施設に影響の出る恐れがあり、対策が必要と国が定める「防災重点ため池」は、県内で9135カ所。従来の県条例で届け出の必要がなかった小規模なため池は1121カ所に上った。昨年度の調査では、500カ所前後で所有・管理者が特定できなかったという。

 県や各市町によると、多くは、農家の減少やほ場整備で河川から取水できるようになった後も放置されてきたとみられる。

 小規模なため池を数多く抱える市町は確認作業を急ぐ。神戸市では、小規模なため池181カ所の約4割で所有・管理者が不明で、登記簿などを基に調査を進めている。担当者は「1件ずつ確認するしかないが、半年で間に合うかどうか。何かあってからでは遅く、1日でも早く確定させたい」と話す。

 新法と改正県条例では、防災重点ため池などの貯水量や周辺への浸水などの状況を各市町が再確認。それらのデータを基に県が「特定ため池」を指定する。老朽化などで堤防に決壊の恐れがあれば、県が所有・管理者に防災工事を命令できるようになる。また、所有・管理者が不明のままだった場合、管理権を市町に移すこともできる。

■県内ため池2万4400カ所 全国最多のまま

 兵庫県は、今年4月時点の県内のため池数が2万4400カ所と、1年前の3万7652カ所から約1万3千カ所減ったことを明らかにした。全国最多は変わらず、2位広島県の1万9772カ所より5千カ所近く多かった。

 2017年4月、三田市で40年以上使われていなかったため池が決壊し、近くの会社や民家が浸水した。この事故を受け、県は各市町とともに昨年度、航空写真を基に地元の農区長らへの聞き取り調査を進めていた。