ひょうご経済プラスTOP 経済 マラリア潜伏期に検出する抗体開発 普及へ商工中金神戸支店が融資

経済

マラリア潜伏期に検出する抗体開発 普及へ商工中金神戸支店が融資

2019.08.30
  • 印刷
バイオマトリックス研究所がマラリアの診断キット用に出荷する抗体の溶液(同社提供)

バイオマトリックス研究所がマラリアの診断キット用に出荷する抗体の溶液(同社提供)

 医療ベンチャーのバイオマトリックス研究所(千葉県流山市)は、熱帯感染症のマラリアを潜伏期に検出する抗体を開発した。世界初の性能といい、診断キットの原料としてメーカーに供給する。東南アジア、アフリカで普及を見込み、商工中金神戸支店(神戸市中央区)は事業費5千万円を融資する。(内田尚典)

 バイオ社は、インフルエンザなど呼吸器系の感染症の診断キット原料を、国内外のメーカーに販売している。感度が高い抗体を作る独自技術が強みで、世界で5割以上のシェアがある。

 一方、世界保健機関(WHO)は2017年にマラリアで約43万5千人が死亡したと推定。同社は、撲滅に貢献しようと抗体の開発を進めていた。潜伏期のマラリアを診断できれば、隔離と早期治療によって、感染拡大と重篤化の阻止につながるという。

 国内外のメーカー十数社へ納入を予定し、今年に入って一部へ出荷を始めた。供給体制を強化するため、これまでの国内での委託生産に加え、米国メーカーへライセンス供与することで合意した。WHOや民間ルートで1年以内に実際に患者に使われ始める見通しという。デング熱を診断する抗体も併せて開発した。

 同社は02年設立。遺伝子解析などを経て、抗体の開発を強化した。従業員約20人。18年3月期の売上高は約3億6千万円。松永俊介社長(62)は「マラリア、デング熱向けの販売が順調に進めば10億円になる。5年以内に達成したい」と話している。

 千葉、長野、神戸に保管拠点を設けている。兵庫県内の医薬品製造会社の持ち分法子会社だった時期があり、同支店が支援していた。