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神鋼、世界最大鉄鋼メーカーと水素活用による製鉄法を共同開発へ

2019.09.17
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神戸製鋼所の米子会社がアルセロール・ミタル社の工場内に建設した既存の直接還元鉄プラント=独ハンブルグ(神鋼提供)

神戸製鋼所の米子会社がアルセロール・ミタル社の工場内に建設した既存の直接還元鉄プラント=独ハンブルグ(神鋼提供)

 神戸製鋼所(神戸市中央区)は17日、世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)と、水素を活用した直接還元製鉄法の技術を共同開発する契約を結んだ、と発表した。天然ガスの代わりに水素を使うことで、二酸化炭素(CO2)の排出を理論上なくすことができるのが特長。独ハンブルグの同社工場内に新設される世界最大規模の実証プラントを設計する。(大島光貴)

 アルセロールと、神鋼の100%子会社、米ミドレックス(ノースカロライナ州)が12日付で契約に調印した。投資額や今後のスケジュールは非公表。

 ミドレックスは、天然ガスを用いて鉄鉱石から酸素を取り除き、鉄を製造する「直接還元製鉄法」で約60%の世界シェアを握る。石炭を使う高炉法と比べてCO2の排出量を抑えられる特長があり、1971年から同工場内にプラントを納入してきた。同プラントで製造された還元鉄は線材の原料として使用されている。

 実証プラントでは、既存プラント(年間生産能力約60万トン)の炉内部にたまったガスの中から水素を回収し、年間約10万トンの還元鉄を生産する予定。副産物として水だけが発生し、CO2は生成されないという。

 水素で鉄鉱石を還元する技術は、CO2の排出を削減し環境負荷の低減につながるため、世界の鉄鋼業界の中で「未来の技術」として注目が集まっている。