ひょうご経済プラスTOP 経済 ノーベル賞の吉野氏開発リチウムイオン電池 企業は事業の追い風に期待

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ノーベル賞の吉野氏開発リチウムイオン電池 企業は事業の追い風に期待

2019.10.10
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パナソニックが生産する車載用リチウムイオン電池=3月、大阪府門真市

パナソニックが生産する車載用リチウムイオン電池=3月、大阪府門真市

神戸で開かれた電気自動車関連の国際展示会で、パナソニックが公開した車載用リチウムイオン電池=2018年10月、神戸市中央区港島中町6

神戸で開かれた電気自動車関連の国際展示会で、パナソニックが公開した車載用リチウムイオン電池=2018年10月、神戸市中央区港島中町6

 2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏らが開発したリチウムイオン電池は裾野が広く、兵庫県内にも完成品や材料を開発、製造する企業や拠点が集積している。今回の受賞により同電池への注目が高まることで、事業の追い風になると期待する声も聞かれた。

 パナソニックは加西、洲本、姫路の各工場で車載用角形電池を製造しており、いずれも国内主力工場の位置付け。神戸で昨秋あった電気自動車(EV)関連の世界最大規模の催し「国際電気自動車シンポジウム・展示会」では、トヨタ自動車のプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」に搭載する電池を出展した。

 三洋電機出身で電池の小型化を成功させた雨堤徹さんが10年、洲本市に設立したのがAmaz(アメイズ)技術コンサルティング合同会社。小型の円筒形電池を開発し、市販電池を使った軽電気自動車(LEV)向け電池パックや、持ち運びできる小型電源、太陽光発電や水力発電の蓄電システムなども手掛けている。

 攪拌機メーカーのプライミクス(淡路市)は車載用を中心に、電池の正極や負極材料などを均一に混ぜる機械で、世界シェア4~5割を誇る。ノーベル化学賞の発表を受け、神野丸男執行役員(59)は「携わる企業として喜ばしいこと。中国、韓国、欧州の企業からの引き合いが多かったが、日本企業からの受注にも期待している」と述べた。

 阪神間にも関連産業が集まる。化学メーカー大阪ソーダ(大阪市)は今年、車載用電池向けなどを目指し、炭素材料カーボンナノチューブの生産を尼崎市の工場で始めた。ドイツ化学大手BASFの日本法人も13年、同市内に正極材料の研究開発を行うバッテリー材料研究所を開設。化学系ベンチャーGSアライアンス(川西市)は今月3日、不燃性で高温でも使用可能な電池を試作したと発表した。(大島光貴)