ひょうご経済プラスTOP 経済 阪急阪神HD、シマブン ミニトマトに熱視線 人気の高糖度栽培

経済

阪急阪神HD、シマブン ミニトマトに熱視線 人気の高糖度栽培

2019.11.12
  • 印刷
阪急阪神ホールディングスが生産する高糖度ミニトマト=姫路市余部区下余部

阪急阪神ホールディングスが生産する高糖度ミニトマト=姫路市余部区下余部

ミニトマトと自動販売機をPRする担当者=神戸市灘区岩屋中町4、シマブンコーポレーション

ミニトマトと自動販売機をPRする担当者=神戸市灘区岩屋中町4、シマブンコーポレーション

 異業種からの農業参入が相次ぐ中、手始めに扱う野菜としてミニトマトが注目を集めている。兵庫県内では阪急阪神ホールディングス(HD)が5月に兵庫県姫路市で、鉄工卸のシマブンコーポレーション(神戸市灘区)が昨年夏に神戸市北区で栽培を始めた。管理がしやすく付加価値が付けやすい利点を生かし、それぞれ1年目から量販店などに出荷している。(山路 進、三島大一郎)

 ミニトマトは小さく、皮もやぶれにくいなど扱いやすい。栽培用施設は、温度や湿度などのセンサーで環境を自動制御できる施設も開発され、水耕栽培も可能。糖度の高さにより差別化を図りやすい点も普及を後押ししているとみられる。

 阪急阪神HDは、ホテルのレストラン、スーパーなどグループの企業を含め食との関連が深く、成長が見込める農業への参入を決めた。傘下のライフデザイン阪急阪神(大阪市)がベンチャー企業「オスミック」(東京)と業務提携。まず人気の高糖度ミニトマトの通年生産に取り掛かった。

 広い土地と水、働き手の確保も期待し、姫路市余部区を農地に選んだ。約1・2ヘクタールにビニールハウス2棟(計約43アール)を建設。温度管理に井戸水を使う最新の環境制御型ハウスを導入し、オスミックが独自開発した有機肥料でラグビーボール形の新品種を育てる。8月に初出荷を果たした。

 担当者は「フルーツのように甘く、ほどよい酸味も出せている」と胸を張る。近畿地方のイオンに卸し、1パック(120グラム)350円で「オスミックトマト」として販売されている。

 生産販売目標は年間80トン。ライフデザイン阪急阪神の鷹尾浩平農業事業部課長(32)は「食は生活の根幹で、取り組む意義は大きい。安定的な収益構造を確立し、いずれはほかの野菜や果物の生産にも挑戦したい」と話している。

 シマブンコーポレーションは、鉄スクラップや鋼材を加工、販売する企業間取引が主体。認知度向上策として、一般消費者に身近な農業に目を付けた。

 神戸市北区の社宅跡地(約36アール)に、温度などの環境を自動制御するハウス6棟を建設。「六甲ファーム」と名付け、財務部が担当する。過酷な条件ほど味が高まる特性を生かした特殊な農法で品種フルティカを育てる。フィルムの微細な穴を介して水分や養分を供給するため、味は甘くて濃く、プリっとした食感に仕上がるという。

 昨年から「神戸スイーツトマト」として大丸神戸、芦屋店に出荷し、ハウスでも直売。糖度などの規格も設け、最上級はスイーツ感覚の「赤」、次は酸味が少なく味の濃い「白」、基準以下は兵庫県産として扱う。本社3階に今年10月に設置した自動販売機(6個=約130グラム、200円など)は、搬入翌日には完売する人気という。

 生産販売目標は年16トンだが、昨年は半分程度。ファーム長の鎌田和男財務部長は「農業の厳しさを思い知った。今年は目標をクリアしたい」と力を込める。