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イメージ向上で人材確保を 広がる企業のテレビCM

2019.11.13
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10月から放映中の合食のテレビCM(同社提供)

10月から放映中の合食のテレビCM(同社提供)

 兵庫県内企業でテレビコマーシャル(CM)を放映する動きが広がっている。人手不足が顕著となる中、知名度やイメージを向上させて新卒採用や安定した人材確保につなげる狙い。販路拡大や従業員の士気向上などの効果もあるようだ。(中務庸子、中村有沙、塩津あかね)

 神鋼不動産(神戸市中央区)は傘下の建設、ビル管理など4社を合わせたグループCMを初めて制作し、7月から在阪テレビ局や地元の映画館で放映する。この地域で生まれ育った女性が同社で働くようになるまでの成長を描いた。

 同社はこれまで分譲マンション「ジークレフ」のCMを流したことはあったが、都市部の地価上昇に伴って現在はマンション開発よりも施設跡地の再開発案件が多く、グループのブランド力向上を重視した。「総合生活関連企業」を打ち出してマンション購入層以外の若者にも関心を持ってもらい、採用活動につなげたい考えだ。

 水産物加工の合食(同市兵庫区)は10月、関西と福岡で放映を始めた。珍味の「おいしい減塩シリーズ」をPRする。家族3人によるドラマ仕立てで、父母が購入した同シリーズの商品を小学生の娘がおいしそうに頬張る-との内容だ。

 健康志向の高まりで、同シリーズのブランド力を強化するほか、企業の認知度を高める狙い。同社は「CMの効果で過去に取引がなかったスーパーなどにも販路を開拓できた。学生にも自社をアピールしたい」とする。CMは2種類でいずれも15秒。今月25日まで放映する。

 廃棄物処理の大栄環境ホールディングス(同市東灘区)は3年前に5秒のCM放映を始め、今年8月から30秒版をスポットで流し始めた。回収した廃棄物を資源やエネルギーに変えて「循環型社会を目指す」との理念を、「ぐーるぐる」という歌に乗せて表現する。

 出射(いでい)邦彦執行役員は「CMで信用力をより高め、一般的に『汚い』『危険』といった業界のイメージを変えたい」と話す。

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■なじみの薄い製造業も活用/アイドル起用「士気向上した」

 上場企業では、一般消費者になじみの薄い企業間取引(BtoB)の製造業もCMを流し始めている。

 総合重機のIHI(東京)は若年層への認知度アップを目指し、2015年4月~19年2月までCMを放映。約8カ月の空白を挟んで先月26日から航空宇宙、エネルギーをテーマにした2種類を新たに放映し始めた。うちエネルギー編は相生工場(兵庫県相生市)で撮影したという。

 尼崎と高砂に工場を構えるガラス製造大手のAGC(東京)は昨年6月にオンエアを始めた。同7月に旧旭硝子から改称した現社名を周知するためで、俳優の高橋一生さんを起用。CM放映は約10年ぶりという。

 自動車用エンジンの点火プラグなどを手掛ける日本特殊陶業(名古屋市)は16年3月にCMを始めた。08年ごろまで東海地域限定で流したが、創業80年を記念してアイドルの岡田准一さんを起用し全国放映に踏み切った。「特殊で何が悪い?」のキャッチコピーで、さらなる知名度の向上を図る。「従業員とその家族にも喜ばれ、士気の向上につながった」(広報部)と効果を上げる。