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日本製鉄、広畑製鉄所に420億円投資 EV用鋼板増産へ

2019.11.16
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 日本製鉄(東京)は、広畑製鉄所(兵庫県姫路市)に計420億円を投じ、電気自動車(EV)向け薄鋼板などの生産設備を増強する。環境規制の高まりに伴い、EVなどの性能を引き上げる高機能鋼板の需要が一層増えると見込む。米中貿易摩擦の影響などで鋼材市況は厳しい環境が続くが、成長分野に投資を振り向けて収益力の改善を図る。(横田良平)

 自動車のモーターや発電所の変圧器などの基幹部材となる電磁鋼板の製造設備を、約140億円かけて強化する。日鉄は、2025年度に世界で生産される自動車のうち、エコカーの割合が現状の1桁台から30%近くまで伸びるとみており、高品質な電磁鋼板の供給体制を整える。電力需要も世界的に高まると見込み、同様に電磁鋼板を製造する八幡製鉄所(北九州市)でも増強投資を決定している。

 広畑製鉄所ではさらに、約280億円を投じて鉄スクラップから鉄をつくる溶解の工程を刷新。現在の溶解炉や転炉を使う手法を、電気炉による工程に切り替える。少量案件への対応など柔軟性の高い生産が可能になり、二酸化炭素発生量を年間40万トン削減できるという。電気炉1基を導入するなど設備を更新し、22年度前半の稼働を目指す。

 一方、同製鉄所で手掛けるブリキ製造は21年度後半をめどに休止する。生産拠点を八幡と名古屋製鉄所に集約して収益基盤強化を図り、従業員は製鉄所内で配置転換する見通し。

 広畑製鉄所は自動車向けなどのほかに、家電や建築柱などに使われる薄板を手掛け、18年度の粗鋼生産量は65万トン。20年4月、日鉄と合併する日鉄日新製鋼の呉製鉄所(広島県呉市)などと統合再編し、「瀬戸内製鉄所広畑地区」に改称される予定。