ひょうご経済プラスTOP 経済 世代超え愛されるロングセラー「神戸ノート」 春に向け出荷ピーク間近

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世代超え愛されるロングセラー「神戸ノート」 春に向け出荷ピーク間近

2019.12.21
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多彩なラインアップの「神戸ノート」。職人たちの丁寧な手作業で生み出されている=神戸市長田区浪松町3、関西ノート(撮影・辰巳直之)

多彩なラインアップの「神戸ノート」。職人たちの丁寧な手作業で生み出されている=神戸市長田区浪松町3、関西ノート(撮影・辰巳直之)

神戸ノートの背表紙のクロスは、接着剤を付けて機械で慎重に貼り付ける。3人が息を合わせる流れ作業だ=神戸市長田区浪松町3

神戸ノートの背表紙のクロスは、接着剤を付けて機械で慎重に貼り付ける。3人が息を合わせる流れ作業だ=神戸市長田区浪松町3

神戸の小学生に長く愛される「神戸ノート」。職人が1冊ずつ手間を惜しまず仕上げている=神戸市長田区浪松町3(撮影・辰巳直之)

神戸の小学生に長く愛される「神戸ノート」。職人が1冊ずつ手間を惜しまず仕上げている=神戸市長田区浪松町3(撮影・辰巳直之)

神戸ノートの原料となる紙の束。汚れや傷がないか1枚ずつ丹念に調べてから製本に掛かる=神戸市長田区浪松町3

神戸ノートの原料となる紙の束。汚れや傷がないか1枚ずつ丹念に調べてから製本に掛かる=神戸市長田区浪松町3

高く積み上げられた「神戸ノート」の材料について説明する関西ノートの大河裕二相談役=神戸市長田区浪松町3、関西ノート(撮影・辰巳直之)

高く積み上げられた「神戸ノート」の材料について説明する関西ノートの大河裕二相談役=神戸市長田区浪松町3、関西ノート(撮影・辰巳直之)

 神戸市の小学生が、70年近く愛用する「神戸ノート」。来年4月の進学・進級に伴う需要を前に、出荷は間もなく最盛期を迎える。地域限定のノートは全国でも珍しく、熟練の職人が「どの1冊も同じ品質に」と、湿度や温度に合わせて工程と原料を微調整する。手間を惜しまない姿勢が児童はもちろん、慣れ親しんだ保護者の心をつかんで離さない。地元で知らぬ者のない「ご当地ノート」の生産現場をのぞいた。(記事・佐伯竜一、撮影・辰巳直之)

 「関西ノート」(同市長田区)が1952年から手掛け、正式には「関西ノートB5学習帳」という。朝鮮戦争の特需で経済格差が生じる中、神戸の教師らが「高品質、低価格で誰でも使いやすいノートを」と、同社に発注したのが誕生のきっかけだ。

 愛称とともに支持は広がり、他社製のノートを扱わない市内の文具店や量販店もある。

 表紙はモノトーンで、教科や用途別に色分けし、神戸の港や観光拠点の写真などをあしらう。「れんらくちょう」「百字練習帳」「さんすうちょう」などの21種類を本社工場の7人で作る。

 表紙と帳面を重ね、中央部をミシンで縫い合わせた後、機械で二つ折りにし、冊子の形にする。背表紙にクロスを貼って強度を高め、決まった大きさにカットすれば出来上がりだ。紙は湿気を吸うため、日によって機械の部品の角度をミリ単位で変えるなど、工程には細心の注意を払うという。原料の紙からノートを仕上げるのに1~2週間を要する。

 神戸ノートは世代を超えて愛用者が広がっている。同じ表紙のB7判メモ帳は「オトナ女子」に人気で、思い出の写真などでつくるオリジナルノートの注文も舞い込んでいる。繁忙は来春ごろまで続くのだそうだ。かつて自らも神戸ノートを使い、20年余り製造に携わる館山猛さん(43)は「子供たちが大切に使ってくれると聞くとうれしいです」と目を細める。