ひょうご経済プラスTOP 経済 阪神・淡路から25年 兵庫の経済成長、遅れ続く

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阪神・淡路から25年 兵庫の経済成長、遅れ続く

2020.01.17
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【表1】

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神戸新聞NEXT

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 企業活動に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災から25年。被災12市を含む兵庫県の域内総生産(GDP、実質)は、いったん開いた全国との成長率の差が埋まらない状況が続く。市場環境の激変にもさらされ、産業別の生産額は製造業の伸び悩みが目立つ。震災後に神戸市が打ち出した医療産業都市に加え、新エネルギーや航空機部品など官民を挙げた新産業育成の効果が待たれる。

 震災では道路などのインフラが損壊して部品の調達・供給網が寸断され、主要産業の鉄鋼や機械、食料品などの製造業が大きな打撃を受けた。住宅建設やインフラの整備などの復興特需は1996年度までで、98年度から全国の成長率との差が拡大。ただ、リーマン・ショック後の景気回復期以降の成長率は全国と同程度で推移している。

 兵庫県内の産業別生産額を90年と2015年で比較すると【表1】、製造業は18産業のうち14で減少、非製造業は17のうち14が拡大し、製造業の苦境が浮き彫りになった。

 繊維製品は海外移転や撤退が相次ぎ、石油・石炭製品では出光興産が姫路の製油所を閉鎖。飲食料品は、灘五郷などが手掛ける清酒の需要減が著しく、アサヒビール西宮工場(西宮市)の閉鎖があった。生産額が最大の鉄鋼は2・3のマイナスで、中国など海外メーカーとの競争激化などが響いた。

 非製造業は、医療・福祉をはじめとするサービス業の伸びが突出。高齢化で需要が急増し、00年に始まった介護保険制度も追い風となったが、全国的な傾向と変わらない。独自の成長産業を育成することが求められており、神戸医療産業都市などに期待がかかる。

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 「ものづくりの中小企業として培った総合力をライフサイエンスへ展開したい」

 15日、プラスチック部品の設計・製造を手掛ける水田製作所(明石市)の水田太郎専務(49)は、神戸市内であった産官学連携事業の報告会で発表し、参入の目的を語った。

 同社は、医療産業都市に拠点を置く理化学研究所と共同で細胞培養を効率化する器具を開発し、特許を出願中。新薬の開発や再生医療向けの需要拡大を見込み、量産化へ動いている。主力の電気・電子機器向けに加え、成長の芽を医療分野に求める。震災で本社工場が全壊した同社。水田専務は「5年後に売上高の約2割を占める事業に育てたい」とする。

 神戸市によると、医療産業都市には昨年12月時点で計368社が進出し、1万1千人(昨年3月末)が働く。経済効果(推計)は15年度に1532億円まで伸ばした。地域の経済成長をけん引する産業へ、さらなる進化が求められる。(三島大一郎、内田尚典)