ひょうご経済プラスTOP 経済 震災の「教訓」若手社員につなぐ 神戸市内の企業が訓練や講演

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震災の「教訓」若手社員につなぐ 神戸市内の企業が訓練や講演

2020.01.18
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阪神・淡路大震災で被災した神戸工場について語る住友ゴム工業の高寄幸久さん=神戸市中央区脇浜町3

阪神・淡路大震災で被災した神戸工場について語る住友ゴム工業の高寄幸久さん=神戸市中央区脇浜町3

店内で行われたシェイクアウト訓練で、頭を守るため買い物かごをかぶる従業員たち=神戸市中央区雲井通6、ダイエー神戸三宮店

店内で行われたシェイクアウト訓練で、頭を守るため買い物かごをかぶる従業員たち=神戸市中央区雲井通6、ダイエー神戸三宮店

大地震発生への初動対応を訓練する武元和彦支店長(右端)ら=神戸市中央区京町、日銀神戸支店

大地震発生への初動対応を訓練する武元和彦支店長(右端)ら=神戸市中央区京町、日銀神戸支店

コープこうべ主催の鎮魂式で献花する山口一史理事長=神戸市東灘区田中町5

コープこうべ主催の鎮魂式で献花する山口一史理事長=神戸市東灘区田中町5

 災害時の経験をいかに後世に伝えるか-。阪神・淡路大震災から17日で25年を迎えた。被災地の企業では当時を知る社員が少なくなり、風化への懸念が高まっている。この日、神戸市内で各社が実施した鎮魂式や関連行事では、次なる災害に備え、社員たちの教訓継承への決意がにじんだ。(まとめ・三島大一郎)

■2度の大震災経験 住友ゴムの社員、工場被災を語る

 当時、神戸工場が閉鎖に追い込まれた住友ゴム工業(神戸市中央区)は、10年ぶりに震災の教訓を伝える社内講演会を開いた。同社は東日本大震災でも白河工場(福島県)が被災。災害を経験した社員が講師として登壇し、約200人が出席。16拠点を結び、全社で情報を共有した。

 神戸工場に勤務していた秘書室長の高寄(たかよせ)幸久さん(59)は、1週間かけて全従業員と家族の安否を確認し、他工場への配置変更に半年を要したことなどを振り返った。東日本では阪神・淡路の経験が生かされ、従業員の安全確保や迅速な情報伝達ができたこと、事業継続計画(BCP)も活用し、約1カ月で震災前の生産レベルに戻せたことを紹介した。

 同社は阪神・淡路後の入社が7割を超えており、高寄さんは「2度の震災で得た経験と教訓を伝承していくことがわれわれの責務」と強調した。

■ダイエー「顧客の安全を守る」 全22店でシェイクアウト訓練

 スーパーのダイエー(本店・神戸市中央区)は、同市内の全22店舗で地震の揺れから身を守る「シェイクアウト訓練」を実施。神戸三宮店で訓練に参加したパート従業員の女性(67)は「25年前の記憶がよみがえった。顧客らの安全を確保できるよう確認や備えを怠らないようにしたい」と話していた。

■「備えを怠らず」日銀が初動訓練

 日銀神戸支店(神戸市中央区)には午前7時半すぎ、大地震時に営業を継続するための初動訓練に職員15人が集まった。電気やガスが途絶えた想定で自家発電装置を起動。職員の安否確認や業務用システムの作動を手順に沿って進めた。約70人の職員のうち、震災の経験者が3分の1に減った。武元和彦支店長は「伝承と備えの議論を怠りなくやりたい」と話した。

■コープこうべ「生協の役割」語り継ぎたい

 本部ビルなど18施設が全半壊し、職員11人が亡くなった生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)。当時、遺体安置所となった組合施設「生活文化センター」で鎮魂式を開いた。午前8時すぎ、職員約40人が黙とう。男性職員(30)は「災害時に生協が果たしてきた役割を語り継いでいきたい」と誓った。