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新型肺炎で企業説明会相次ぎ中止、内定確保に危機感

2020.03.03
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2月末に開かれた就活イベント。大手就職支援会社の合同企業説明会が中止となり、就活戦線は混迷しそう=大阪市中央区

2月末に開かれた就活イベント。大手就職支援会社の合同企業説明会が中止となり、就活戦線は混迷しそう=大阪市中央区

 新型コロナウイルスの感染拡大で、1日に本格始動した2021年春採用の就職活動戦線は、兵庫県内でも混迷を深めそうだ。合同企業説明会(合説)の相次ぐ中止に、中小企業は学生との接点縮小に危機感を募らせる。学生からはウェブカメラを活用した就活に戸惑いの声が上がり、内定確保で二極化の傾向がさらに強まるとの見方もある。(中務庸子、大島光貴)

 「多くの学生に会社を知ってもらう機会が失われた。知名度の低い中小製造業には特に厳しい」。例年、合説で100人以上の若者と接触していたという県内の機械メーカー担当者は肩を落とす。

 就活情報サイト「リクナビ」を展開するリクルートキャリア(東京)は3月中の合説中止を発表。その後、マイナビやディスコなども次々と開催を見合わせ、県内では大学が開く合説も中止に追い込まれた。

 そんな中、業務用音響機器大手のTOA(神戸市中央区)は感染予防のため、説明会と面接を初めてネットで行う。説明会では自社のホールで機器の音質を体感してもらうつもりだったが、担当者は「ウェブでも学生と密にコミュニケーションを取りたい」とする。

 採用活動をウェブに切り替える企業は県内でも出始めているが、関西学院大3年の女子学生(21)は「ウェブだと会社や社員の雰囲気をつかみにくく(内定を得ても)入社の意思決定で迷うのでは」と不安がる。

 リクルートなどの大規模合説に頼らず、学生との接触方法を模索する企業もある。知名度の低い会社は、同じ会場でブースを出す大企業に埋没して、思うような新卒採用に結びつかないとの指摘がある。神戸の輸入車販売会社は、学生がブースを出して企業側が相手の自己PRを聞く「逆・合同説明会」への参加を強化する考えだ。担当者は「待っていてもいい人材に出会えない」と話す。

 専門家の間では、早期に動きだした就活生と、出遅れた人との差が鮮明になるとの見方が強い。

 ディスコの調査では、1月上旬までに35・2%の学生が選考を受けたと回答。内定を得た人も7・0%いるという。神戸学院大3年の男子学生(21)は「昨夏からのインターンシップで企業を研究してきたので、合説中止の影響は少ない」と冷静。就活ジャーナリストの石渡嶺司さん(44)は「早期に準備を進めている学生は半数ほど。残りは企業の絞り込みが遅くなり、例年以上に苦しい就活になるだろう」としている。