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先端技術で高齢化カバー 県「スマート農業」推進へ

2020.06.02
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無人で農地を耕すトラクター(手前)=姫路市内(兵庫県提供)

無人で農地を耕すトラクター(手前)=姫路市内(兵庫県提供)

田んぼの給排水を24時間自動制御する水管理システム=豊岡市内(兵庫県提供)

田んぼの給排水を24時間自動制御する水管理システム=豊岡市内(兵庫県提供)

急斜面でも使えるリモコン式草刈り機=養父市能座

急斜面でも使えるリモコン式草刈り機=養父市能座

衛星利用測位システム(GPS)で正確に苗を植え付ける自動運転田植機=養父市内(兵庫県提供)

衛星利用測位システム(GPS)で正確に苗を植え付ける自動運転田植機=養父市内(兵庫県提供)

 兵庫県は、農家の高齢化などを踏まえ、先端技術を活用する「スマート農業」の推進方針をまとめた。2030年度までに、稲作などでの導入面積を現在の約120倍に増やすなどの目標を盛り込んだ。多様な手法の効果などを検証し、県内農業に適した技術の普及を図る。(山路 進)

 県は推進方針で、農業形態別の目標値を設定した。コメや麦などでの導入面積は現在約100ヘクタールと全面積の約3%。これを30年度末に約120倍の約1万2千ヘクタールにし、導入率を30%に引き上げる。ハウスなどの施設園芸では、センサーで内部の作物に最適な温度、湿度などに制御する施設を3倍余りに拡大。畜産では、牛の出産監視システムを約3倍に増やすなどとした。

■国も目標値

 農業現場の深刻な人手や担い手の不足を背景に、国もスマート農業推進への目標値を掲げる。小型無人機ドローンでの農薬散布では、コメや麦などでの実施率を18年度の約1%から、22年度に55%に拡大。農地や作物などのデータを活用する農業を25年までにほぼ全ての担い手に実践させるとしている。

 この一環として、国は19年度から養父市など全国69地区でスマート農業の実証事業を行う。衛星利用測位システム(GPS)を使った自動走行トラクターのほか、ドローンや人工知能(AI)、ロボットなども活用。国の研究機関や農機メーカーを中心に、省力化や作物の高品質化につなげる技術が開発されている。

■広がるドローン

 県内でも、肥料や農薬の散布で従来の手や噴霧器、ヘリコプターから、ドローンに転換する動きが拡大。上空から農地をドローンで撮影し、作物の色の違いから生育の差を確認して、数平方メートル単位で農薬・肥料量を調整する技術を試す生産者もいる。田んぼに設けた水位センサーで、給排水を自動制御できる水管理システムの導入も広がる。

 県は本年度、スマート農業の普及に向け、各地で実演会や最新技術の講習会などを開く。導入に1千万円を超えるケースもあるため、農家や農業団体、県立農林水産技術総合センター(加西市)、農機メーカーなどと実証モデル事業も計画。費用対効果などを検証し、最新農機の共同利用や操縦技術者の派遣体制などを整備していくという。