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兵庫県内の中小、新卒採用見直しの動き 新型コロナで打撃、先行き不透明

2020.06.17
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神戸新聞NEXT

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 兵庫県内の中小企業で、2021年春の新卒採用を見直す動きが広がりつつある。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急減し、流行の「第2波」が懸念される中、今後の受注動向や経営環境が見通しにくいからだ。移動制限の影響を大きく受けたアパレルや観光では、採用数をゼロにするところも出始めている。(中務庸子)

 「極めて消極的な採用にならざるを得ない」。県内の繊維メーカーの採用担当者が、ため息交じりに話した。一応、面接を継続して優秀な人材の確保を目指すが、逸材がいなければ、3人程度を予定した当初の計画をゼロにするという。

 このメーカーは、商社経由で国内外のアパレル企業に洋服の生地となる織物を供給する。しかし、百貨店の臨時休業で衣料品の販売が落ち込み、出荷済みの生地は現在、商社の倉庫に留め置かれている。在庫は越年する恐れがあり、「新入社員を迎え入れても、来季に新たな生地の受注があるかどうか…」と話す。

 神戸市内のホテルは、当初計画の5人から2人に減らす。担当者は「外出自粛による観光客の減少で経営が厳しい」と打ち明ける。

 就職情報会社のディスコ(東京)が5月下旬に実施したアンケートでは、新型コロナの影響で当初の採用計画を「下方修正する」とした企業は17・6%。従業員規模別に見ると、「300~999人」の中堅企業で21・4%と目立った。「採用中止」は「300人未満」の中小企業が最も多く2・5%だった。

 兵庫県中小企業家同友会(神戸市中央区)によると、県内の製造業や小売業でも採用中止の動きがあるという。毎年春に合同企業説明会を開くが、約10社が来春の採用中止などを理由に参加を取りやめた。合同説明会は延期を繰り返した後、最終的に中止した。担当者は「採用できない状態が続けば(需要の回復時に受注をこなせず)経営に大きな影響を与えかねない」としている。