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下水から作った肥料、一般発売 リン抽出「においなし」 神戸

2020.06.23
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カプセル玩具販売機「ガチャガチャ」で市販される肥料「こうべ再生リン」=神戸市東灘区魚崎南町2

カプセル玩具販売機「ガチャガチャ」で市販される肥料「こうべ再生リン」=神戸市東灘区魚崎南町2

 神戸市はこのほど、市内の下水汚泥から抽出したリンで作った肥料を個人向けに発売した。これまで肥料メーカーを通じて農家に販売してきたが、家庭や市民農園で花、野菜を栽培する個人の需要に対応し、100グラム単位で小口販売する。汚泥を肥料に再生する資源循環の輪が、企業や農家から家庭にもつながった。(山路 進)

 リンは窒素、カリウムとともに農作物の栽培に不可欠な栄養素で、日本ではほぼ全てを輸入に頼る。同市は下水処理で発生する汚泥に大量のリンが含まれることに着目。東灘処理場(神戸市東灘区)で汚泥からリンを取り出す国内初の施設を2013年に整備し、企業と肥料化の研究を進めてきた。

 14年にリンを豊富に含む肥料「こうべ再生リン」が完成し、肥料メーカーに原料として供給。農家向けに窒素やカリウムなどを加えた野菜用と水稲用の配合肥料も作り、JA兵庫六甲(同市北区)が販売してきた。使用量は年々増え、市内の農家200戸以上がキャベツやスイートコーン、コメなどを生産している。

 今回はこうべ再生リンを個人用に小分け販売した。成分量はリン20%、窒素4%、マグネシウム11・5%。同市によると、イネ科や花を付ける植物などの生育に応じて、必要な栄養分を追加で与える「追肥(ついひ)」に向いているという。

 同市の担当者は「汚泥をしっかり処理し、安全でにおいもない。花壇や鉢植えに使ってもらい、家庭の排水口からつながる循環を実感してほしい」と話す。

 購入は、同処理場内(同市東灘区魚崎南町2)の情報発信拠点「下水道の歩み館」のカプセル玩具販売機「ガチャガチャ」で。1個100円。同館は平日午前9時~午後5時。

 神戸市東灘処理場TEL078・451・0456