ひょうご経済プラスTOP 経済 印刷業界、チラシ受注急減 営業自粛やイベント中止相次ぎ

経済

印刷業界、チラシ受注急減 営業自粛やイベント中止相次ぎ

2020.07.02
  • 印刷
高品質のカラー印刷に対応する機器。催しの中止が相次ぎ、チラシやパンフレットの引き合いが止まった=神戸市東灘区向洋町東2、大和出版印刷

高品質のカラー印刷に対応する機器。催しの中止が相次ぎ、チラシやパンフレットの引き合いが止まった=神戸市東灘区向洋町東2、大和出版印刷

 新型コロナウイルスの感染拡大で、印刷業界が苦境にさらされている。デジタル化でペーパーレスが進んだところに、店舗営業の自粛や時間短縮、催しの延期・中止が相次ぎ、チラシやパンフレットなど商業分野の受注が一時的にほぼ消えたからだ。兵庫県内では、売り上げが前年比8~9割落ち込む事業者も出ており、業界団体を通して情報共有を図るなど対策を講じる。(佐伯竜一)

 日本印刷産業連合会(東京)によると、業界の印刷物の出荷額は1991年度と97年度の8兆9千億円前後をピークに減少傾向で、2017年度は5兆2378億円と約4割減った。同連合会の19年度の加盟社は7183で、02年度からほぼ半減した。

 県印刷工業組合(神戸市中央区)の加盟社も、80年代は400ほどあったが、現在は4分の1の108となった。従業員100人以上は数社で、数人の家族経営と数十人の中小零細事業者が大半を占める。

 コロナ禍では出版分野も書店の休業や雑誌類の休刊などの影響を受け、全体の売り上げは約2割落ち込んだ。

 テレワークや交代勤務で事業を継続する企業もあるが、多くは実質無利子融資や雇用調整助成金の申請など資金調達に追われる。経営者が高齢で後継者がいなければ、廃業しかねない状況という。

 同組合は、メンバーをつなぐ会員制交流サイト(SNS)でそれぞれの業務を共有したり、必要に応じて印刷機を融通したりする方針。厳しさが続く加盟社が手を取り合い、業界の維持発展に努めるという。

 武部健也理事長(52)は「印刷業界は景気悪化で落ち込むのが早く、回復は他業界よりも遅れがちだが、需要はゼロにならない。高品質、小口受注に対応し、環境にやさしいサービスを充実させるなど困難を乗り切りたい」と話している。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス