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夏の製造現場、センサーで体調見守り シマブンがシステム開発

2020.07.10
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ヘルメットに測定機器を着けて勤務するシマブンコーポレーションの作業者=加古川市尾上町池田、シマブンコーポレーション加古川事業所

ヘルメットに測定機器を着けて勤務するシマブンコーポレーションの作業者=加古川市尾上町池田、シマブンコーポレーション加古川事業所

管理監督者の画面に表示される警告(写真の一部を加工しています)=加古川市尾上町池田、シマブンコーポレーション加古川事業所

管理監督者の画面に表示される警告(写真の一部を加工しています)=加古川市尾上町池田、シマブンコーポレーション加古川事業所

 暑い夏、製造現場で労働災害の予防を-。鉄スクラップ・鋼材加工のシマブンコーポレーション(神戸市灘区)は、ヘルメットに取り付けたセンサーで作業者を見守るシステムを開発した。脈拍や肌温度などを測定。人工知能(AI)の予測も加え、体調の異変を知らせる。初年度で千人分の販売を目指す。(大島光貴)

 同社は鉄鋼メーカーの構内作業を請け負っており、社内の熱中症対策を念頭に、2015年から開発を始めた。電子部品大手のアルプスアルパイン(東京)と共同で、軽量化などの改良を重ねた。需要が見込めると判断し、外販することにした。

 新システムは「Decobull(デコブル)」。本体をヘルメットの後頭部に取り付け、周囲の気温と湿度から「暑さ指数」を算出する。

 脈拍や肌温度などを測るセンサーは、ヘルメット前部に付けて額に触れる。基準値を一定時間超えるか、これらの数値と暑さ指数からAIが異常を予測すると、瞬時に「注意」「危険」の警告を出す。半径30メートル以内の他の作業者が着けているセンサーが振動し、管理監督者の専用モニターに表示が出る。

 アルプス社との開発実験は、延べ600人、110万時間の作業を対象にした。警告が出た作業者は休憩し、熱中症の発生はなかったという。

 既存のヘルメットに装着可能で、着脱すると自動でオンとオフが切り替わる。工場内に設置する中継機を介して送受信し、スマートフォンは要らない。体調の異変に気付いた作業者自身が、後頭部のボタンを押して知らせることもできる。万一の墜落や転倒で体が動かない状態に陥った場合も分かる。

 シマブンの山路基文・上席執行役員は、「ここ10年、労災の発生件数は全国的に下げ止まっており、一層の対策が求められる。開発したシステムの普及によって、体調異変が招くヒューマンエラー(人為的ミス)の防止に役立ちたい」と話す。

 50人分からのリース契約。1人月7980円(税別)。同社IoT事業推進部見守りサービス推進室TEL079・423・5867