ひょうご経済プラスTOP 経済 【ベンチャーを追う】働き方変革、アプリで快適に 神戸の開発会社

経済

【ベンチャーを追う】働き方変革、アプリで快適に 神戸の開発会社

2020.08.01
  • 印刷
場所を選ばない働き方向けのITサービスを提供するACALLの長沼斉寿社長=神戸市中央区江戸町

場所を選ばない働き方向けのITサービスを提供するACALLの長沼斉寿社長=神戸市中央区江戸町

 オフィス向けアプリ開発のACALL(アコール、神戸市中央区)が6月、ベンチャー投資のジャフコとDBJキャピタルから計5億円の資金を調達した。同じタイミングで公開した新アプリは、リモートワークの従業員らが互いに、仕事中か、休憩中かなどを確認しあえる。新型コロナウイルス感染拡大で変わる働き方に対応する。

 新アプリは「アコール ワーク」。今秋から来年にかけて出す予定だったが、コロナ禍で開発を前倒しした。8月以降、勤務する場所や仕事の成果も入力できるよう、更新を予定している。社長の長沼斉寿(よしひさ)(38)はさらに、「たまったデータを人工知能(AI)に学習させ、仕事の内容に応じてどこで働くのが最適かを提案できるまでにしたい」と話す。

 当面、無償で提供。個別に追加する機能の希望を聞き、有料契約先の増加につなげる。資金調達は、新型コロナの影響でベンチャー投資の縮小が懸念される中で実現。開発を強化する。

 長沼は、外資系のエンジニアなどを経て2010年に起業した。16年、来客の受け付けを自動化するサービスを始めた。一例はこうだ。オフィス入り口のタブレット端末で、来客者が担当者を呼び出す。迎えに行く間に、自動で入館証を発行する。受け取った来客者が記載のQRコードを備え付けの自動販売機にかざせば、無料で飲み物を提供できる。

 社員の入館手続きや会議室の予約も自動化。社外のシェアオフィスへのチェックインアプリも開発した。こうしたデータを基盤となるソフトウェアでつなぎ、職場などで共有可能にしている。大企業やベンチャー約3900社が利用したという。

 「働く」と「IT」。長沼が一貫して掲げる二大テーマだ。高校1年の時、「仕事人間だった」という父を亡くし、働く意味を考えた経験がもとになっている。「通勤電車に揺られる社会人の表情は楽しくなさそうで、働き方を改善したいと思った」と振り返る。

 従業員約40人のアコールはコロナ禍より一足早い昨年、出社に縛られない働き方を導入した。開発するサービスの実験場でもある。「オフィスとリモート、それぞれ良さがある」と長沼。快適に働けるITの仕組み作りに力を注ぐ。=敬称略=(大島光貴)