経済
【ベンチャーを追う】新起業プラザ、9月オープン ビジネス創出を後押し
兵庫県内の起業家や起業を志す若者を支援する「起業プラザひょうご」が9月、三井住友銀行神戸本部ビル(神戸市中央区浪花町)に移転オープンする。同行は県と協定を結んでおり、セミナーの開催や資金、ビジネス情報の提供などで連携する。21日、現地で記念式典があった。
同ビルには、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS(ユノップス))が途上国支援など世界的な課題を解決する事業を育成する拠点も、県と神戸市の誘致で併設される。新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れ、10月か11月に開設予定という。起業プラザとの連携が期待される。
起業プラザは2017年、JR三ノ宮駅近くの複合ビル「サンパル」に開設。県外郭団体のひょうご産業活性化センターが、NPO法人コミュニティリンクに運営を委託している。
移転先は、同本部ビル2階の772平方メートル。共有のコワーキングスペース(267平方メートル)、個別利用の業務デスク(16席)、小規模オフィス(17室)などで構成。宗教的理由やアレルギーで特定の食材を食べられない人向けの絵文字を開発するフードピクトなどがすでに入居を予定し、引き続き募集する。
京阪神地域は7月、国が起業家育成を集中的に支援する「グローバル拠点都市」に東京、名古屋、福岡の都市圏とともに選定されたばかり。式典で井戸敏三知事は「コロナ後社会では、起業が社会を変える動きにつながる。高い志に期待したい」とあいさつした。
一方、三井住友銀行は、東京に起業家支援拠点を設けているほか、グループで事業創造のコンテストを催すなど、新ビジネスの発掘に力を入れている。高島誠頭取は「ユニークな文化や研究施設の集積など、スタートアップ企業を引きつける条件が兵庫にそろっている」と期待を述べた。
記念講演したネスレ日本(神戸市中央区)前社長の高岡浩三氏は「イノベーション(技術革新)とは顧客が考えもしなかった課題を解決すること」などと語った。(森 信弘)