ひょうご経済プラスTOP 経済 ユニークな電動三輪車を開発 川重の二輪車エンジニア

経済

ユニークな電動三輪車を開発 川重の二輪車エンジニア

2020.10.15
  • 印刷
電動三輪ビークル(手前)を開発した石井宏志さん。二輪車エンジニアとして後方にあるバイクの設計にも携わった=明石市川崎町

電動三輪ビークル(手前)を開発した石井宏志さん。二輪車エンジニアとして後方にあるバイクの設計にも携わった=明石市川崎町

 川崎重工業明石工場(兵庫県明石市)の二輪車エンジニアたちが、ユニークな電動三輪車を開発した。小回りが利きにくい三輪車の難点を克服するため、ハンドル操作だけでなく、車体を傾けることで曲がれるようにしたのが特長。ビジネスアイデアを募る社内制度の第1号案件に選ばれ、事業化に向けて準備を進めている。(長尾亮太)

 新たに開発した三輪車は前方を2輪にした。バイクや自転車につきまとう前輪のスリップによる転倒リスクを減らす狙い。電動と電動アシストの2種類を用意した。左右の前輪の間に荷台を設け、20キロ分のコメ袋や、飛行機内に持ち込めるサイズのスーツケースなどを積める。

 開発を担ったのは、バイクのエンジニア3人とテストライダー1人でつくるチームだ。曲がる際に体重移動しても本体が過度に傾斜せず、スピードを上げても安定性を保つことができる構造を見いだすため、工場内でライダーが試乗を繰り返した。

 開発のベースに選んだのはバイクではなく、自転車だった。排気量千ccを超える大型バイクの設計を手掛けてきたチームのリーダー、石井宏志さん(43)は「より多くの人に乗ってほしかったから」という。

 山間部のお年寄りや都市部の若者、物流業者などの利用を想定する。「雨の日に滑りやすく、重い荷物を積めない自転車の弱点を解消できたのではないか」と石井さんは自信を見せる。

 川重は事業アイデアの公募制度を今年4月に設けた。社内に眠る新ビジネスの芽を掘り起こすほか、事業化ノウハウを備えた人材の育成やアイデアを出し合う雰囲気づくりを目指す。

 電動三輪車は、バイクと異なる顧客を取り込める可能性があるとして、約100件の応募の中から第1号に選ばれた。試験販売による製品の改良を経て、2022年度の発売を目指す。