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自動車「改善」、航空機「長期化」需要回復に差 県内企業の中間決算

2020.11.20
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9月中間決算を発表する兵庫県内企業の役員ら(奥)。新型コロナウイルスの感染防止対策として間隔を確保した=大阪市中央区北浜1、大阪取引所

9月中間決算を発表する兵庫県内企業の役員ら(奥)。新型コロナウイルスの感染防止対策として間隔を確保した=大阪市中央区北浜1、大阪取引所

神戸新聞NEXT

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 兵庫県内の上場企業77社が発表した2020年9月中間決算は、新型コロナウイルス禍による業績への影響が尾を引く一方、自動車向けを中心に需要が持ち直す動きが出てきた。回復の度合いは企業や事業分野によって差が大きく、「コロナ前の水準に戻るには数年かかる」とみる経営者も多い。

 「上期で625億円とみていたコロナ禍の経常損益への影響が570億円程度で済んだ」。神戸製鋼所の勝川四志彦取締役はオンライン会見で説明した。7~9月期の日系自動車メーカーの生産台数が、当初想定の前年同期比30%減から15%減に改善したことで、自動車向け鋼材やアルミ板、サスペンションなどが回復したためだ。

 通期のコロナ影響額も、8月予想の900億円から840億円に縮小する公算だが、勝川氏は「自動車の回復は早いかもしれないが、航空機はもう少し時間がかかるだろう」と慎重な見方を示した。

 川崎重工業は、コロナ禍が351億円の営業減益要因となり、うち航空機事業が65%を占めたという。米ボーイングなどに納める機体部材の売上高が前年同期比30%、エンジン部品が38%それぞれ下落した。山本克也副社長は「旅客需要の回復が想定より遅れ(下期の)見通しは悪くなった」と明かす。同事業の要員を20年度内に約600人減らす方針だ。

 大阪チタニウムテクノロジーズも航空機用のチタンなどが不振で30億円の最終赤字を計上した。コロナ前の需要に戻るのは23年度ごろと想定。需要減に合わせて設備稼働や要員態勢を見直し、コスト削減による収益力回復を図る。

■コスト削減

 コロナ禍で打撃を受けた本業を立て直すため、各社とも収益改善に本腰を入れる。

 ワールドは不採算のブランドや店舗の廃止のほか、希望退職とオフィスの集約を進める。鈴木信輝社長はオンライン会見で「人・モノ・カネのコントロールを徹底する」と力を込めた。

 神姫バスも人件費削減や設備投資の抑制、路線バスの減便などに踏み切り、通期で前期比20億円強のコスト削減を計画する。小林健一取締役は「需要がコロナ前に戻らないという前提で考えるしかない」と話す。

 そのほか、山陽特殊製鋼はスウェーデンの子会社で約120人を削減する。アマテイは従業員に支給する冬の賞与を例年の半分に圧縮。来春以降、小さなくぎの無人生産を倍増させる考えだ。フジッコは低採算品をなくして売れ筋に注力する。

■「巣ごもり需要」一服

 中間期で最高業績を更新した関西スーパーマーケットやG-7ホールディングスは「巣ごもり需要」が一服しつつあるとみる。それでも「内食」などの需要は高いとみており、「年末年始はまとめ買いなどのニーズが続く」(関西スーパー・福谷耕治社長)「経済の低迷で節約志向が広がり、まだまだ市場が取れる」(G-7・木下智雄社長)などの声が聞かれた。

 通期予想を、単体から連結決算にした最終赤字予想のシャルレと、「未定」とした阪神内燃機工業を除く75社で集計したところ、純損益の減益・赤字を見込む企業は49社(65%)と、20年3月期実績の47社(63%)を少し上回る。(まとめ・大島光貴)