ひょうご経済プラスTOP 経済 川重、原子力事業から撤退へ 来春、メンテナンス会社に譲渡

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川重、原子力事業から撤退へ 来春、メンテナンス会社に譲渡

2020.11.25
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川崎重工業の神戸本社が入るビル=神戸市中央区東川崎町1

川崎重工業の神戸本社が入るビル=神戸市中央区東川崎町1

 川崎重工業(神戸市中央区)は24日、原子力事業から撤退すると発表した。原子力発電施設のメンテナンスなどを手掛けるアトックス(東京)に来年4月1日付で譲渡する。譲渡価格は非公表。市場の動向が見通しづらい原子力事業から退き、成長分野と見込む水素エネルギー関連事業に注力する。

 川重は1969年、社内に原子力事業を担う部署を発足。国内初の商用発電用原子炉である日本原子力発電の東海発電所(茨城県東海村)の蒸気発生器などを製作したほか、その後の同発電所の廃止工程で熱交換器解体装置を納めた。日本原子力研究開発機構の大洗研究所(同県大洗町)では、廃棄物を小さくする固体廃棄物減容処理施設を建設した。

 川重は事業譲渡後も、原子力事業を担当する神戸工場(神戸市中央区)の従業員約20人の雇用を維持し、社内で配置転換する。両社は今後、社員を相互に派遣して、川重の設計や調達、据え付け工事に関するノウハウをアトックスに供与する。

 川重は今月2日に発表した10年後の将来像「グループビジョン2030」で、水素事業を注力分野として位置づけた。大量輸送に向けた液化水素運搬船の建造などの技術実証と商用化を進める計画で、来年4月には造船とエネルギー・環境プラントの両部門を統合して水素事業を強化する。(長尾亮太)