ひょうご経済プラスTOP 経済 <地を担う>(6)株式会社広瀬青果(南あわじ市)

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<地を担う>(6)株式会社広瀬青果(南あわじ市)

2021.01.26
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約3千平方メートルの畑でキャベツを収穫する中国人技能実習生ら=南あわじ市八木寺内

約3千平方メートルの畑でキャベツを収穫する中国人技能実習生ら=南あわじ市八木寺内

神戸新聞NEXT

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■売れる野菜で農地守る

 丸々と大きなキャベツが広がる畑。7人の女性が根元に黙々とナイフを当てる。隣の畑では、女性たちが切り出したキャベツを男性社員らがコンテナに積み込む。この日朝の収穫は約1万8千玉を数えた。

 経営面積は、南あわじ市北部を中心に約29・6ヘクタール。広瀬哲典社長(54)は「流通を意識し、売れる野菜を」と、タマネギとハクサイ、キャベツの3品目を育てる。地元の名を冠した減農薬、有機肥料栽培の独自ブランド「養宜(ようぎ)玉ねぎ」を県内など関西圏のスーパーに出荷する。

 自社での生産分に加え、市内や徳島の農家約50戸から仕入れる契約を結び、食品や外食大手など約30社に加工用としても卸す。

 広瀬社長は地元の高校を出て、大阪の中央卸売市場に就職。取引先の農家や卸業者らを通じ、野菜流通を学んだ。4年後、地元で就農。父から約2ヘクタールを引き継いだ。タマネギやブロッコリーなどを地元の市場などに出荷。野菜の皮などを堆肥にする循環型農業にも取り組んだ。

 転機は2006年。島内の青果会社などと、淡路の農産物を扱う商社を立ち上げた。市場時代の取引先などを巡り、売り込んだ。しかし、食品会社の多くはすでに大産地と契約済み。1ケースの重量を割り増すなどして受注を広げてきた。さらに同年から、中国の技能実習生を受け入れている。今いるのは冒頭の女性7人。広瀬社長は「みんな働き者。彼女たちなしでは回らない」と感謝する。

 向き合う課題は、経営面積がさらに拡大しても対応できる体制の整備だ。地域の高齢化で年々、耕作依頼は増えている。広瀬社長は「販路拡大とともに、ベテラン農家が支えてきた畑の管理を担える人づくりを急ぐ」と話す。(山路 進)