経済
アシックスとカシオが合弁会社設立へ ウエアラブルのランニング指導に着手
スポーツ用品大手のアシックス(神戸市中央区)とカシオ計算機(東京)は27日、ウエアラブル機器を使ったランニングの個別指導サービスを3月から始めると発表した。国内外で普及を加速させるため、2021年内に合弁会社を設立する。
新サービスは「Runmetrix(ランメトリックス)」。ランナーの腰に着けた小型センサーが動きを計測し、スマートフォンなど向けの専用アプリで、体に合った走り方やトレーニングメニューを提案する。19年に業務提携し、共同開発を進めていた。競技者用の分析を気軽に利用できるようにする。
センサーと数値の算出手順はカシオが手がけた。センサーは骨盤の位置や傾きなどを1ミリ単位の精度で計測。重心の上下や、蹴り出しにかかる時間など20項目以上を解析する。
アシックスはアプリを開発。解析データからその人の動きをアニメーションで再現したり、走り方を点数化したりする。けが予防も助言する。今秋さらに、ウオーキング指導のサービスを始める。
合弁会社は、これらのサービスを国内外に展開する。社名や本社所在地、出資比率などは今後詰める。技術革新のスピードが速いデジタル分野で、経営判断を早める。25年に500万人のサービス利用を想定。オンラインで会見したアシックスの廣田康人社長は、「この分野で世界トップを目指す」と述べた。(中務庸子)