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地エネの酒 for SDGs(3)サスティナブル

2021.04.16
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消化液を使った神戸酒心館の実験田と安福武之助さん=2020年8月、神戸市東灘区御影塚町

消化液を使った神戸酒心館の実験田と安福武之助さん=2020年8月、神戸市東灘区御影塚町

JR三ノ宮駅前で試験販売された地エネの酒「環(めぐる)」=神戸市中央区、ストリートテーブル三ノ宮

JR三ノ宮駅前で試験販売された地エネの酒「環(めぐる)」=神戸市中央区、ストリートテーブル三ノ宮

■資源循環の視点 日本酒に

 「地エネの酒 for SDGsプロジェクト」には、兵庫県内で日本酒を造る四つの蔵元が参加しています。

 そのうちの一つ、神戸酒心館(神戸市東灘区)の社長、安福武之助さんは「サスティナブル(持続可能)」という言葉を経営の中心に据えています。

 きっかけは、ヨーロッパで参加したワインの大きな展示会で、地球温暖化への危機感と環境優先のものづくりへの潮流を強く感じたことでした。

 「人と地域と自然をつなげる『サスティナブル』な取り組みからワイナリーを順位づける大会もある。日本酒の何歩も先を行っていると感じました」

 有機栽培など環境配慮のニーズが高いワインに比べて、日本酒の酒米ではそうした動きは活発ではありません。畑から醸造までが一体化しているワインと違い、酒米生産と醸造は別々で一貫したものづくりが難しいのも日本酒の課題です。

 新しい価値や技術革新のために異業種が集う「場」の必要性を強く感じていた時に出合ったのが2019年に発足した「地エネと環境の地域デザイン協議会」でした。

 協議会では、乳牛ふん尿などの発酵で得られる消化液を生かす弓削(ゆげ)牧場(神戸市北区)の資源循環をテーマにシンポジウムや視察を重ねていました。

 そうした交流の場で育まれたエネルギーと環境の視点による新しい酒づくりの最初の現場となったのが、神戸酒心館にある小さな実験田でした。安福さんたちは弓削牧場の消化液を使って酒米山田錦を栽培し始め、協議会に日本酒の分科会が生まれます。

 「酒米と水を未来も使い続けるために、気候変動に対して地域が動き始めないといけない時代が来たと思います」と安福さんは時代を見据えます。(辻本一好)

【SDGs(持続可能な開発目標)】2030年に達成を目指す17の世界共通の目標。(7)「エネルギー」(9)「産業と技術」(11)「まちづくり」(12)「生産と消費」(13)「気候変動」(14)「海の豊かさ」(15)「陸の豊かさ」など、自然エネルギーへの転換と環境技術の普及が鍵を握る分野が数多くあります。

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