ひょうご経済プラスTOP 経済 地エネの酒 for SDGs(5)無農薬への挑戦

経済

地エネの酒 for SDGs(5)無農薬への挑戦

2021.04.21
  • 印刷
山田錦の田んぼで草取りに励む名古屋敦さん(右)と岡田洋一さん=加西市内

山田錦の田んぼで草取りに励む名古屋敦さん(右)と岡田洋一さん=加西市内

田んぼに散布した米ぬか=加西市内

田んぼに散布した米ぬか=加西市内

■知恵と技術で雑草抑える

 「地エネの酒 for SDGsプロジェクト」は、農薬と化学肥料を使わない酒米栽培もテーマとしています。欧米で強まるオーガニック(有機栽培)のニーズに対応し、両方の製造に使う化石燃料を減らすことにつながります。

 特に除草剤を使わないことは共通目標にしました。

 神戸市北区の中西重喜さんが選んだのは、農業機械による雑草除去です。

 春、水田の雑草はまだ根が浅いので、農機が入って土がかき混ぜられると土から離れて浮きます。代かきや田植えの際に浮いた草を取り除き、最後に「除草機」も使いました。

 豊倉町営農組合(兵庫県加西市)は冬期湛水(たんすい)した田んぼにできる「トロトロ層」の抑草効果に期待しました。

 これは、水を張った田んぼに稲わらなどの有機物が微生物に分解されてできるクリーム状の層で、光はその下に届かず雑草の種は発芽できない仕組みです。

 もう1人の生産者で、同じ加西市の名古屋敦さんも冬期湛水を試したかったのですが、水は豊富でないのでできません。そこで、米ぬかを使ってトロトロ層と同じような環境をつくる手法に挑戦しました。

 田植え後、米ぬかをまくと水が濁り光は遮られます。さらに米ぬかの分解時に水中の酸素が使われて減るため、雑草の成長が抑えられるという考え方です。

 名古屋さんは、米ぬかをまいた田に消化液を3度投入しました。肥料としての意味合いと、稲の栄養吸収を助ける働きへの期待があります。

 7月下旬、最後は数人で草取り。自分でも酒米をつくる参加蔵元、岡田本家(加古川市)の岡田洋一さんも田んぼに入りました。「雑草がもっと多いことも覚悟したが少ない。米ぬか散布など作業のタイミングと、それを決める経験がやはり重要なんですね」(辻本一好)

【除草剤を使わない稲作技術】冬期湛水や有機物を使ったトロトロ層づくりを主体とした農法の開発が全国で活発になっていますが、山田錦の栽培ではまだ少ないのが現状です。冬期湛水は、コウノトリや魚など生物のすみかをつくることも目的としています。

     ■     ■

 地エネの酒の情報、エネルギーや環境のメルマガとコラムなどは、情報サイト「地エネnote」へ。