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ワクチン休暇の整備着々 現役世代の接種拡大へ備え 家族のサポートにも対応

2021.05.28
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神戸新聞NEXT

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 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、兵庫県関連企業が従業員らの接種日を有給休暇にしたり、副反応が出て業務に就けない場合にも有給にしたりする制度を創設している。年次有給休暇(年休)とは別枠で取得できるのが特長。今後、現役世代にも拡大するワクチン接種に備え、各社は体制整備を急ぐ。(中務庸子、森 信弘、横田良平)

 貨幣処理機メーカーのグローリー(姫路市)は、新型コロナワクチン接種の特別休暇を新設し、26日から運用を始めた。対象は正社員、契約社員、パートなど全従業員計約3500人。既存の年休とは別に、接種1回ごとに特別休暇を1日取得することができる。

 万一に備え、発熱や頭痛などの副反応で勤務できなくなっても、接種1回につき1日取得できるようにした。現在接種が進む高齢者らにも対応する。従業員の親など同居の親族などに付き添いが必要な場合や副反応で看護をする際には、積み立ての年休をそれぞれ1日ずつ使えるようにした。

 同社の担当者は「感染拡大抑止は、社会全体で目指していくこと。従業員が接種しやすくなるよう、企業としても協力したい」と狙いを説明する。

 スポーツ用品大手のアシックス(神戸市中央区)もグローリーと同様の特別休暇制度を整え、27日に従業員に周知した。接種1回につき1日だが、仕事の都合や体調に応じて、半日や時間単位などの取得も可能という。

 従業員の約4割が県内で働く三菱電機(東京)は、全従業員4万3千人を対象に新制度を導入した。担当者は「週末など混雑する時間帯を避けて安心して接種できるようにした。取引先や関係者の安心にもつながる」と強調する。商社の神栄(神戸市中央区)は、接種日に1日か半日の特別休暇の取得を認める。副反応で療養が必要な場合も特別休暇を付与する。国内では、グループ会社を含む400人程度が対象という。

 ワクチン接種の休暇は、政府が経団連などに制度導入を要請したことで大手を中心に広がる。川崎重工業(同)も、従業員のワクチン接種をサポートする制度を検討中という。

 ただ、県内のスーパーや化学メーカーでは今のところ、公休や年休で対応するなど、制度を設けていない企業も少なくない。

 企業の制度設計などを支援する兵庫働き方改革推進支援センターの河合篤センター長は「テレワーク対応など喫緊の課題が多く、ワクチン休暇については後回しになっている印象。接種が現役世代にも拡大すれば、制度を設ける企業も増えてくるだろう」と話している。