ひょうご経済プラスTOP 経済 <地を担う>(14)株式会社グリーンひょうご西(姫路市)

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<地を担う>(14)株式会社グリーンひょうご西(姫路市)

2021.11.23
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トラクターに乗って、広大な農地に小麦の種をまくグリーンひょうご西の従業員=姫路市山田町西山田

トラクターに乗って、広大な農地に小麦の種をまくグリーンひょうご西の従業員=姫路市山田町西山田

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■休耕地預かり若手育てる

 兵庫県姫路市内の休耕地など約500枚の田んぼを預かり、コメや小麦などを育てる。全ての農作業を請け負う経営面積は約90ヘクタール。田植えや稲刈りなどの作業を部分的に受託する農地を含めると計220ヘクタールに達し、市内の耕地面積の約5%を担う。

 市内では約30年前、農家の高齢化に伴う耕作放棄地が急速に広がり始めた。生産力の衰退に危機感を強めた姫路市農協(現JA兵庫西)が1995年、市北部の農協倉庫を拠点に農業法人「ひめのうグリーン」を設立。2011年に赤穂市が拠点だったJA出資法人「グリーンにしはりま」と統合し、「グリーンひょうご西」に改組した。

 放棄地が出始めたのは、住宅が密集する姫路市南部だった。当初から役員を務める大塚正稔常務(74)は「早朝に倉庫で農機をトラックに積み、朝の渋滞道路を抜けてからの農作業。毎日大変だった」と振り返る。

 一方、農村地域の市北部でも10年余り前から放棄地が増え始めた。都会から若者が戻らずに地域全体で担い手が減ったからだ。大塚常務は「農村部でも放棄地が増えるとは。われわれの存在意義は高まるが、複雑やわな」。

 預かった農地では、主食用米を中心に小麦や大豆、飼料用米などを育て、JA兵庫西に全量を出荷する。従業員11人のうち半数の6人が40代以下だ。

 20年春に兵庫県立農業大学校を出て、社員として働く男性(22)は「草に覆われた農地を減らし、農業を守ることにやりがいを感じる。独立する目標に向け、しっかりと学びたい」と意気込む。

 大塚常務は「JAと一緒になって農地を守るのと同時に、しっかり若手を育てなければならない。地域を守るために」と力を込めた。(山路 進)