経済
兵庫の金融経済概況 日銀、5カ月ぶりに基調判断引き上げ
日銀神戸支店(神戸市中央区)が11日発表した兵庫県内の金融経済概況は「資源価格上昇の影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、持ち直している」と、基調判断を5カ月ぶりに引き上げた。コロナ禍の行動制限がなくなり、飲食や対面サービスを中心に個人消費が回復した。
まん延防止等重点措置の解除で、県内観光地の入り込み客数が増加。神戸市内主要ホテルの平均客室稼働率(3月)は52%と、1、2月から10ポイント以上改善した。大型連休中も飲食、宿泊業の好調が続いた。スーパーや家電販売も底堅く、個人消費の回復が全体の基調判断を引き上げた。
生産は海外の需要増に支えられ、化学や機械関連を中心に好調だった。コロナ拡大による中国・上海の都市封鎖で部品の調達が滞り始めるなど、一部で供給制約の影響も見られた。
山崎真人支店長は「資源価格の上昇などで企業経営は厳しさを増しているが、地域経済全体では、生産は落ちていない」と語った。(高見雄樹)