経済
神戸洋家具、光る老舗の技 永田良介商店150周年記念展 修理重ねて使われ続ける品々
兵庫県の地場産業「神戸洋家具」のひとつで、老舗の永田良介商店の「創業150周年記念展」が神戸市中央区三宮町3の同店で開かれている。100年前に使われていた椅子などが展示され、神戸洋家具の歴史を振り返ることができる。(塩津あかね)
永田良介商店は1872年4月に外国人の家具を扱う古道具商として創業した。壊れた家具を修理するため、遠縁の船大工を呼び寄せ、5年後には本格的に洋家具の製造を開始している。
記念展では、同店が過去に製造し、60~100年経過した椅子などが展示されている。同店は営業を続ける洋家具店としては日本で最も古い店のうちのひとつとされ、時代を経た洋家具を実際に見ることができる貴重な機会だ。
約100年前、大正末期に製造された椅子は、加古川市にあった国内有数のタオル製造会社の創業者一族の自宅で使われていたもの。生地は張り替えているものの、しっかりした構造を保っている。90年前の椅子は、塩屋の洋館で使われ、座面が籐(とう)張りと布地のリバーシブルになっている珍しい設計だ。家具のほか、明治から大正時代の写真なども展示している。
同店の商品は全てオーダーで、今でも古い家具の修理の依頼は多いという。6代目店主の永田泰資さん(36)は「修理し、布を張り替えれば、何代にもわたって使ってもらえる。買い替えるのではなく、修理して使うのは今のSDGs(持続可能な開発目標)に通じる考え方」と話す。
今後は120年前のカップボードの復刻や、他企業とのコラボ商品も予定している。
公式LINEをフォローし、来店すると神戸レザーを使用した紅白の特製コースターをプレゼントする。
20日まで。午前11時~午後6時。毎週水曜と第1・3・5火曜定休。TEL078・391・3737