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震災前の店舗にあったテーブルで作った看板と立花俊子さん(左)、森みゆきさん=神戸市兵庫区新開地6
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震災前の店舗にあったテーブルで作った看板と立花俊子さん(左)、森みゆきさん=神戸市兵庫区新開地6

 名物料理の真っ黒い焼きそばで知られる神戸・新開地の大衆食堂「トシヤ」が28日、常連客に惜しまれつつ閉店する。創業から約70年間、阪神・淡路大震災も乗り越え、のれんを守り続けたが、長年勤めた従業員の退職に「店の味が守れない」と閉店を決めた。庶民の街を彩った老舗(しにせ)の灯(あか)りがまた一つ、消えていく。(小西隆久)

 同店は1948(昭和23)年、洋食店の調理師だった立花肇さん(故人)が創業。当初は肇さん1人で店を切り盛りし、まんじゅうなどを野球場で売り歩くなど苦労を重ねた。最盛期には三宮、元町などに計4店舗を構え、肉まんやラーメン、ウナギなど幅広いメニューを提供した。

 名物「そば焼き」は53(同28)年、すき焼きが好きだった肇さんの「すき焼きの残り汁にそばを入れたらうまいはず」との発想から生まれた。日本そばと野菜、豚肉を割り下じょうゆといため、仕上げのウスターソースが香ばしさを引き立たせる逸品で、県内外から客が詰めかけた。

 阪神・淡路大震災で店舗が全壊。肇さんの妻で現社長の俊子さん(85)らはいったん県外に避難したが、翌年に店を再開。「閉める選択肢はなかった」と俊子さん。従業員として店を支えてきためいの森みゆきさん(52)は「従業員の生活も考えての決断だったと思う」と明かす。

 今月に入り、従業員の急な退職に「味を引き継ぐ時間がない」と月内の閉店を決めた。俊子さんは「さみしいと言ってくれるお客さんがいてくれて本当にありがたい」と最終日もレジの前に座る。

 28日は午前11時半から午後2時半まで。TEL078・575・6658

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