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障害のある人たちの日常を捉えた作品を手にする田名部有希さん=神戸新聞社
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障害のある人たちの日常を捉えた作品を手にする田名部有希さん=神戸新聞社

 障害がありながらも前向きで、明るく過ごす人たちの姿をもっと知ってもらいたい-。自身も聴覚障害がありながら“写心家”として活動する神戸市中央区の田名部有希さん(45)が、そんな思いで撮影した作品が完成した。躍動感あふれる姿、はじける笑顔。レンズの向こうにある「不便だけど、決して不幸じゃない」とのメッセージを切り取った。(岡本好太郎)

 田名部さんは、6歳で感音性難聴と診断された。補聴器を使えば音はかすかに聞こえるものの、話の内容を聞き取ることはできないため、会話の際は相手の口元の動きを見て理解する。

 3年前、フェイスブックで知り合った友人から一眼レフカメラを譲り受け、表情の多様さや、内面を映し出す人物写真の魅力にはまった。休日には、音楽や演劇イベント、友人の集まりに参加。街角でも気になる人に声を掛けて撮らせてもらう。「無音の中で、表情やしぐさに集中する」。シャッターは補聴器を外して押す。

 「音が聞こえてきそう」「こんな表情、見たことない」。投稿したSNSには次々と感想が届く。「写真は思いを素直に伝えられるコミュニケーションツール。引きこもりがちだったが、写真と出合って世界が変わった」

 今回の撮影は友人から持ちかけられた。戸惑いもあったが「かわいそうと思われる雰囲気や健常者との壁を感じたりするのは、こちらに障害があるから仕方ないという発想があるから。そこを払拭できるような一枚になれば」と挑戦した。

 仲間と一緒に軽やかにジャンプする義足のダンサー、娘の頰に唇を寄せて愛情を伝える盲目の両親、床をはう赤ちゃんと見つめ合う車いすの父親、両親とじゃれ合うダウン症の子ども…。何げない日常が何かを訴えかけてくる20作品が並んだ。「自分の障害を受け入れ、甘えていない人たち、そして理解する仲間たち。これが普通なんだと感じてもらえたら」

 個展「音のない呼吸」は22日まで、神戸市中央区北長狭通2のカフェ・バー&ギャラリー「エンタス」で開催中。正午~午後4時、午後6時~午前0時。17日は夜の部のみ。ワンオーダー制。

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