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市外からの転校生には違和感? 神戸の児童たちは、校舎のほとんどを運動靴で過ごす=神戸市中央区の湊小学校(撮影・中西大二)
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市外からの転校生には違和感? 神戸の児童たちは、校舎のほとんどを運動靴で過ごす=神戸市中央区の湊小学校(撮影・中西大二)
上履き制も徐々に増加。東灘小学校は教室前の廊下に靴箱が置かれ、上履きに履き替えている
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上履き制も徐々に増加。東灘小学校は教室前の廊下に靴箱が置かれ、上履きに履き替えている

 取材で神戸の小学校に初めて足を踏み入れたとき、あるものが見当たらずに困惑した。それは「靴箱」。よく見ると、児童も教諭も校舎内を運動靴や革靴でかっ歩している。どうやら神戸の小中学校は、全国的にも珍しい「土足制」を貫いているらしい。その理由を探ってみたところ、最近は変化が生じているようで-?

 夏休み間近の7月中旬、中央区の市立湊小学校を訪ねた。給食が終わり、児童たちは廊下や教室でにぎやかに過ごす。足元はカラフルな運動靴。6年の女の子は「体育館以外はほとんど土足だよ。当たり前やん!」とにんまりだ。

 砂ぼこりを抑えるため、教室内を「油引き」するのも恒例だ。鼻の奥に残る、どっしりとした独特のにおいが校舎に充満し、床になじむのに数日かかる。宮本晃郎校長(56)は「床にプリントや上着を落とすと油が染み込むので、油引きの後、子どもは行動が慎重になる」と笑い、「神戸の子は土足は常識と思っている。市外から移ってきた保護者が戸惑う場面によく出くわしますよ」と話す。

 正確な統計はないが、市教育委員会によると、市立小中学校と義務教育学校247校(分校を含む)のうち、土足制は9割近くに上る。その理由は諸説あり、モダンな西洋文化の影響を受けた▽平地にゆとりのある校舎が建てられず靴箱が置けなかった-などだが、「明確な理由は不明」とか。

 ただ、神戸市教育史(1964年)には、戦後は千~2千人規模の学校が増え「教室数の不足をきたし、校舎の増改築を必要とする」との記述があり、校舎は手狭ではあったようだ。

 一方、神戸に隣接する他市の小中学校は上履き制が圧倒的に多い。明石市は全ての学校が、西宮市は61校中、約8割に当たる48校が上履きを使う。また、芦屋市は、靴箱でのいたずらの防止など生徒指導上の理由から「小学校は上履き、中学校は土足」と進学のタイミングで切り替えている。

 そして、神戸にも例外が出てきた。児童数が974人の東灘小学校(東灘区)は各教室前の廊下に靴箱を置き、教室では上履きで過ごす。戸田信示校長(57)によると、阪神・淡路大震災の被害で校舎の一部が建て替えられ、上履き利用を想定した床の材質に変わった。「廊下はどちらでもよい、図書館は靴も上履きも脱ぐなど、場所によって臨機応変なルールがある」と話す。

 さらに近年は、新設校のほとんどが衛生面に配慮して上履き制を導入しており、「神戸市=土足制」の定説は崩れつつあるようだ。

 「土足か上履きかの判断は学校ごとに任せている」とは市教委の担当者。神戸ならではの歴史や事情を背負いつつ、現代の環境に応じた“変革”がやってくるのか。長い目で見守りたい。(久保田麻依子)

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