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神戸体操を行う市立兵庫商業高校の生徒。めりはりが利き、負荷のかかる動きが特徴だ(兵庫商業高校提供)
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神戸体操を行う市立兵庫商業高校の生徒。めりはりが利き、負荷のかかる動きが特徴だ(兵庫商業高校提供)
神戸体操を図解する冊子。タイトルは「体操でみんな明るく」
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神戸体操を図解する冊子。タイトルは「体操でみんな明るく」

 「体操の隊形に開け!」「やー!」。この号令の後は、市立学校に通った神戸っ子の多くは「神戸体操」にいそしんだ。ジャンプしたかと思えば、指先を伸ばしてポーズ。さらに地面すれすれまで体を下げて腕立て伏せ。ラジオ体操のような手軽さは一切なく、終えると「ふーっ」と息を吐くハードさで知られた。ところが、あの質実剛健な神戸体操が存続の危機にあるというのだ-。

 神戸体操に詳しい市立神港橘高校の川畑龍雄教頭(54)によると、正式名称は「神戸市学校体操」。ルーツの体操は1951(昭和26)年にできた。64(同39)年発行の「神戸市教育史」によると、体操の元オリンピック選手で東京教育大(現・筑波大)教授の本間茂雄氏の協力を得て、小学校低中高学年、中学男女、高校男女用の7種類もの体操をつくりあげた。

 さらに66(同41)年に、当時の原口忠次郎市長を中心に大幅に内容を変更。これで完成した小学1、2年生▽3~6年生▽中学男女▽高校男女-の4種類が、現在の神戸体操だ。

 約3分間の体操はシンプルな音楽に合わせ、旧海軍の体操の動きに模したような動作も採り入れ、筋力、体力をともに高める役割を果たす。片足を上げた体勢での腕立て伏せなどもあり、「筋トレ」のようでもある。川畑さんは「運動量はラジオ体操の約3倍」と話す。

 70(同45)年ごろの全盛期には、市内ほぼすべての市立小、中、高校で行われたが、いまや神戸体操は希少な存在になってしまった。市教委の調査によると、現在体育で神戸体操を採り入れる学校は小学校でゼロ、中学校は11校、高校は市立兵庫商業高(兵庫区)と六甲アイランド高(東灘区)の2校のみと激減した。

 その最大の理由は、体育の授業数を減らした教育指導要領の改定。覚えるのに1カ月以上かかる神戸体操の継続は効率的でないと考える学校が増えた。

 加えて、画一的な体操の意義も問われるようになった。サッカーをするなら、サッカーで使う筋肉をストレッチすべき、というように運動に応じた準備が求められているという。

 では、今も体操に励む生徒たちはどう感じているのだろう。市立高校では本年度末、兵庫商業が神港高校との統合に伴って閉校するため、今後も神戸体操を続けるのは六甲アイランド高校だけになる見込みだ。

 同校は1年生の1学期に、体育の授業で神戸体操を覚え込む。体育のたび、水泳のプールサイドでも体操をしてきたという同校2年の本田千夏さん(17)は「中学から高校で動きが変わるんです。しんどさが全然違うけど、持久力が付くし、体幹も鍛えられる」と効果を挙げつつ、「私たちだけの体操になるのは少し寂しいですね」と話す。

 教師でも知る人が減っているという神戸体操。経験者たちの思い出の中だけでなく、神戸の風景として残り続けられるだろうか。(勝浦美香)

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