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北野で代表的な異人館「風見鶏の館」を見学する観光客たち。神戸の人はほとんど見かけない=神戸中央区北野町3
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北野で代表的な異人館「風見鶏の館」を見学する観光客たち。神戸の人はほとんど見かけない=神戸中央区北野町3
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 外国文化を吸収してきた神戸を代表する観光スポットの一つ、北野異人館街。三宮や元町から徒歩圏内という好立地で、内外の誰もが知る名所だが、実は「神戸人にはなじみがない」という声も聞こえてくる。そのうわさは本当だろうか-。

 観光シーズン真っ盛りの夏のある日、神戸・三宮から、国指定重要文化財の異人館「風見鶏の館」を目指した。徒歩の目安は15分ほどだが、急な坂が続く。汗をぬぐいながら到着すると、建物の前では外国の団体客がガイドの説明を熱心に聞いていた。

 日本人の若い人を中心に「どこから来ましたか」と20組ほど声を掛けてみると、関東や九州など遠方からの観光客ばかり。そのうち垂水区出身で、大分県の大学に通う女子学生(22)は、帰省に合わせて友人と初めて異人館に来たという。「学校行事でも来なかったし、歴史も知らない。でも異国情緒があって、おしゃれな写真が撮れそう」と満足げだが「歩いてくるにはしんどい。1回でいいかなあ」と苦笑した。

 歴史をおさらいすると、北野異人館街は、神戸港開港後の明治20(1887)年ごろから、山手の景観の良さを気に入った外国人が、自宅兼職場を相次いで建築したことに由来する。現在、約20の公開異人館は内装の豪華なしつらえを見て楽しめ、自宅やカフェとしても利用されている。

 神戸市が発表した2015年度の観光動向調査によると、北野地区の来訪者は「近畿外」からが52%と過半数を占める一方、「市内」は8・2%と、他地区平均(27%)より突出して低い。異人館近くで雑貨店を営む女性(42)は「道路が狭くて車の通行が難しいのがネック(障害)。海(神戸港)の方と違って大規模なイベントも少ないので、市民がリピーターになりにくい」と分析する。神戸人にとって異人館街は「近くて遠い」場所のようだ。

 とはいえ、地元の人たちを引きつける工夫もある。旧北野小学校の校舎を利用した「北野工房のまち」では年間100万人が訪れ、カフェや雑貨店、ものづくり体験ができる工房があり、地域拠点としても活用されている。近年は地区の活性化委員会も結成され、今秋はジャズイベントも催す。宇都宮剛館長(56)は「北野の良さを地元の人が実感してもらえるような取り組みを増やしていきたい」と力を込める。

 でも、「坂道がしんどい」という声は無視できない-。そう悩んでいると「シティー・ループを使っては」と宇都宮さんがアドバイスしてくれた。

 シティループは市内の観光名所をめぐる1周約1時間の循環バスで、グリーンのレトロな車体から「走る異人館」の愛称を持つ。

 三宮の乗り場から異人館街までは約10分。同乗するガイドの名所案内があり、手軽に市内散策ができる。開港150年目を迎えたミナト神戸。居留地を切り開いた外国人に思いをはせ、今こそ異人館街に足を運んでみては。(久保田麻依子)=おわり=

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