23日未明に兵庫県に最接近した超大型で非常に強い台風21号の影響で、神戸市内でも強い風雨による被害が相次いだ。23日午後6時までに、転倒して骨折するなどけが人は47人に上り、市は全区の4万9580世帯、10万3430人に避難勧告を出した。
同日未明、最大瞬間風速45・9メートルを記録。小学校や公民館に避難所が開設され、ピーク時は38カ所に64世帯114人が避難した。午前1時ごろには兵庫区の住宅1棟の屋根が飛ばされ半壊した。
交通機関ではJR神戸線や神戸電鉄有馬線で運休や遅れが相次いだ。関西電力によると、倒木や飛来物で電線が切れ、市内で最大約9490世帯が停電。東灘区御影中町1の水泳教室は照明が使えず、復旧まで休講した。
垂水区千鳥が丘3では22日夜、4階建てマンション屋上のソーラーパネル(縦約10メートル、横約30メートル)が外れ、駐車場や路上に落下。約16時間にわたり、周辺の道路が通行止めとなった。近くに住む女性(78)は「ガシャッ」という家が揺れるほどの大きな音で目が覚めた。「もし自宅に落ちていたら…。怖くて眠れなかった」と話した。
また同日午前、中央区の県警本部庁舎屋上の金属製建築部材(長さ3メートル、幅1メートル)が外れ、隣の駐車場に落下しているのが見つかった。重さ20~30キロほどで、駐車していた車の車体にぶつかったような跡があった。
